幻想郷の歴史 襲撃 日も高く昇りそろそろ寺子屋の時間になった 慧音:さて…澪、寺子屋に行くぞ 慧音に促されて一緒に寺子屋に向かう ちなみに妹紅は昼飯を食べた後そのまま帰った… 慧音:ん? 寺子屋に行く途中、急に慧音が立ち止まり周囲を見渡した 澪:どうしたんだ? 慧音:朝から妙な視線を感じるんだが… 慧音が言うにはどうも殺気の篭った視線らしい 慧音:何があるかわからないから、用心しよう 澪:あぁ 慧音の言葉に頷き寺子屋に向かった 寺子屋には既に村の子供達とルーミアがいた、俺は皆に挨拶をして席に座った それから授業5分前にリリー・ホワイトもやってきた 授業の時間になってもチルノが現れなかったので遅刻か欠席だろうと思う 慧音:さて、いない者は気にせずに…授業を始める そうして授業が始まった…調度その時 ドッカァァァァン!!!! 急に寺子屋のドアが吹き飛んだ 平和な寺子屋が一瞬にして悲鳴の飛び交う空間になってしまった 慧音:何事だ!?とりあえず皆、落ち着け!! 子供達は混乱していたが慧音の一喝で落ち着いたらしい 慧音:リリー、ルーミア…村の子供を家に連れてってくれ ルーミアとリリーはその言葉に頷き、裏口から子供達と逃げ出した ?:突然失礼〜♪ 全く悪いと思っていない言い方である 慧音:何用だ ?:貴方に用は無いわ、私はそこの男に用があるだけ そういって女は俺を指差した 澪:え、俺? 全く無関係だと思っていたので変な返事になってしまった 慧音:お前、澪の知り合いか? ?:違うわよ、私はこの子を殺しに来ただけ♪ 慧音:殺しに来ただと? 慧音の顔は険しくなる ?:えぇそうよ、ねぇ澪…私の事覚えてる? 澪:いや、全く 記憶喪失なんだからわかる筈が無い ?:ちゃんと記憶を失ったのね、良かったわ♪ どうやら俺はこいつに記憶喪失にされたらしい ?:死ぬ前に教えてあげる、私の名前は……由梨よっ!! そういうと由梨と名乗る女は急に動き出し澪に殴りかかろうとして来た 当然俺は反応出来ずただ呆然としていた パシッ!! 慧音:大丈夫か澪? しかし慧音が俺と由梨の間に入り、由梨の拳を受け止めた 由梨:ちょっと、邪魔しないでもらえる? 由梨は慧音に対し軽い調子で文句を言っていた 慧音:それは無理だな、私は目の前で人が殺されるのをただ指をくわえて見てる程、薄情ではない 由梨:それなら、先に貴女を殺してあげるわ…澪は記憶が無いから殺すのも楽だしね 慧音:出来るものなら…なっ!! 慧音は力任せに由梨を外に投げ飛ばした そのまま慧音は由梨を追う様に外に出て行き、その後を俺は付いて行った 慧音:……………何故付いて来た 心底呆れた様な言葉だ 澪:いや、中にいた方が危険かなと思ったから 正直に言ったら慧音に睨まれてしまった 慧音:まぁいい…物影に隠れてろよ 由梨:あぁもう…痛いじゃないのよ!! 投げ飛ばされにも関わらず元気な奴だった 慧音:あまりふざけた態度をとり続けてると、怪我だけでは済まなくなるぞ 由梨:大丈夫よ、だって私にはコレがあるから♪ そういって由梨は何か良くわからないカードを取り出した 慧音:スペルカードか… 由梨:ちょっと違うかな…これは、そのスペルカードを一日だけ使えなくするカードなのよ♪ 慧音:な、何だとっ!! 慧音がかなり慌てていた、そんなに大事なものなのだろうか 由梨:それじゃ、封符「スペルカード使用不可」 慧音:くっ… 良くわからないがそのスペルカードとやらを発動したらしい…見た目は何も変わっていなかった 澪は気付いていないが慧音にとっては大ダメージに近いのだ 幻想郷は主にスペルカードで戦う弾幕戦闘が普通だ、即ちスペルカードを封じられれば体術のみで戦わねばならない だから由梨は余裕の態度でいたのだ、おそらくそれ程体術に自信があるのだろう 由梨:さて、それじゃ…さようなら♪ 由梨は慧音に持っていた日本刀で斬り掛かった しかし… 由梨:え、……きゃあ!! 次の瞬間やられていたのは由梨だった あの時慧音は、その剣を紙一重でかわすとそのまま由梨にカウンターを仕掛け吹き飛ばしたのだ 慧音:スペルカードが全てでは無いのでな、こうやってスペルカード無しで戦える様にしている 流石慧音だった… 由梨:ちょっと、そんなに何回も吹っ飛ばさないでよ………きゃあ〜〜〜〜〜!! ブンッ!!! 慧音は起き上がり抗議してくる由梨を無視し、そのまま空中に投げ飛ばした タッ!!……………ガッ!!! その後を追うように慧音は地を蹴り跳び、そのまま空中で由梨の頭をわしづかみした 由梨:え、ちょっと…………まさか……… 由梨はその後の展開を予想し、空中で冷や汗を流した 慧音:そのまさかだ、お前の相手をしてる暇は無いのでな… うん…慧音かなり怒ってますね 由梨:離せ〜〜〜〜!! 由梨が必死に暴れるが、頭をしっかりと掴まれているため意味が無い 慧音はそのまま空中を強く蹴り、由梨の頭を掴んだまま急下降した 由梨:え、ちょ…やめ…きゃあああああぁぁぁぁぁぁ!!!! 慧音:はっ!! ブンッ!!! 地面まで後2m位の所で慧音は由梨を下に投げ飛ばした 由梨:ぐぇっ!!! 潰れた蛙の様な声(悲鳴?)が聞こえた その間に慧音は地上に降り立ち 慧音:これで、終わりだっ!!! 降り立った体制のまま由梨に向かってトドメの蹴りを放った 地面に叩きつけられ無防備だった由梨はその蹴りをまともに受け吹っ飛んで行った ドカァァァァァァァン!!!!! そのまま派手な音をたて、岩に突っ込んで行った 少しして砂埃が晴れた中に、ぐったりとして動かない由梨がいた 澪:慧音、あれ…大丈夫なのか? ちょっと-いや、かなり-不安になって聞いてみる 慧音:やり過ぎたかも知れん…もしかしたら死んだかも 澪:え゙… 慧音:あ、いや…襲って来た方が悪いんだぞ… 俺の反応を見てか、しどろもどろになる慧音 由梨:……………ぐっ………………この……… そんな会話をしている間に由梨はフラフラと起き上がった かなりボロボロでダメージは甚大なのだろうが、とりあえず生きていた事に俺と慧音は安堵した 由梨:ふふ………………やられた…わね………ゴフッ…… 本当にダメージは大きかったらしい、吐血していた 由梨:負けた訳じゃ…………無いからね…………覚えときなさい…………… 由梨はやられ役の言葉を言い、そのまま去ろうとする 慧音:待て、なんでそんなにあっさり帰るんだ? 由梨:この傷で戦っても、負けるのは私だからよ…… 由梨:次こそは、殺してあげるからね……… そう言い残して由梨は去って行った 澪:追い掛けなくても良いのか? 慧音:あの様子では暫くは襲っては来ないだろう 澪:ちょっと!狙われてるのは俺なんだよ、そんなんで良いの!? つい怒鳴ってしまった 慧音:また襲って来たらちゃんと守ってやる…お前の側にいてな 澪:わかったよ… 嫌な予感がしながらも渋々納得した 澪:ただ、次来たときは逃がさないで欲しい…でないと記憶を取り戻す機会が無くなるからさ 慧音:それは盲点だった…わかった、次はお前の忘れてしまった記憶を教えてもらおう 澪:しかしさっきの慧音、鬼みたいだったな♪ 慧音:鬼とは失礼な奴だな 襲撃があった後にも関わらず俺は笑ってしまった 慧音:しかし由梨の言葉通りならまた襲撃があるだろうから、澪も注意しろよ 俺はその言葉に頷いた 確かにこれからも襲撃がある可能性が高いのだから気をつけないとならない 慧音:さて、済まないが寺子屋を直す手伝いをしてくれないか? 澪:拒否していいか? 慧音:拒否したら晩御飯抜きだな 澪:さて、寺子屋直すか♪ 俺ってかなり現金な奴だな… ?:……………チッ 誰かがそんな慧音と澪を見て舌打ちをした 慧音:ん? しかし慧音が舌打ちの音を聞き、そこに目を向けた時…そこにはもう誰もいなかった ---------------- 後日談 寺子屋を直すのには次の日を丸一日使って直した 暫く澪は筋肉痛に悩まされたとか悩まされなかったとか [過去の歴史へ][新たな歴史へ] [戻る] |