幻想郷の歴史
澪探し-妹紅side-
妹紅は慧音達と別れ、かなり嫌々ながら永遠亭に向かっている
永遠亭には妹紅が忌み嫌う輝夜がいるのだ
毎回顔を突き合わせば殺しあいをしているのだが、お互いに死ぬことが出来ないため決着がつくことは絶対に無い
それでも輝夜と一緒にいる鈴仙と永琳なら知っていると踏んで向かっている
いくら輝夜が嫌いでも澪の事が心配なのだ
?:そっちから来るなんて珍しいわね
妹紅が一番聞き慣れていて、一番聞きたくない声が聞こえてきた
妹紅:輝夜、あんたのことは大っ嫌いだけどちょっと永琳に聞きたいことがあったから来たのよ
もう頭には血が上り始めているのだがそれを僅かな理性で押さえ込む
輝夜:あら、そうなの?
毎回顔を突き合わせば殺しあいをしている輝夜から見て今日の妹紅は新鮮だった
故に自分から仕掛けず様子を見たのだ
妹紅:そんな訳だから今日は何もしないわ
そう一言述べると輝夜を横切っていく
輝夜:あ、待ちなさいよ!
そんな妹紅を見て輝夜はおとなしく着いていった
今日は初めて妹紅と輝夜が争わなかった日となるだろう
………………
…………
……
そして永遠亭に到着、今の所争いは起きていない
妹紅:鈴仙、永琳、いるか〜?
玄関口で声高らかに呼ぶ
?:何よ…………えぇ――――――!?
まず初めに来て壮大に驚いたのは鈴仙だった
彼女を月の兎で、訳あってこっちに来たらしい、赤い目は幻覚やらを見せたり出来るらしい
というか何に驚いたのだろうか
?:もう、うるさいわね〜何があっ…………まぁっ!!
次に出てきたのは永琳だ、こっちも鈴仙程ではないがかなり驚いている様子だ
永琳は月の中でも1、2を争うほどの頭の良さを誇り、力もずば抜けて高い、何故輝夜なんかといるのかが不思議な位だ
妹紅:いきなり何に驚いてるのさ?
鈴仙:だって貴女が輝夜様と一緒にいるなんて有り得ないし、しかも無傷でっ!
その言葉に永琳も頷く
そんなにも驚く事なのだろうかと思ったが、確かによく考えたら無傷で此処に来るのは初めてだった
妹紅:まぁ、それは用事があったからで、今戦ってる訳にも行かないからね
永琳:用事があったの、もしかして私達に?
流石永琳、何の用事とも言っていなかったにも関わらず、ある程度予想出来たらしい
妹紅:実は…
そう言うと澪がいなくなった事、その澪を探していること、そして永琳達が何か知らないかと思い此処に来たことを順を追って説明した
永琳:なるほど、澪からは一切連絡は無いのよね?
その言葉に頷く
永琳:だとしたら、何かに操られているかもしれないわね
妹紅:どういうことだ?
鈴仙:要するに、私たちは沢山の薬を扱ってるけど、その中に催眠効果のある薬もあるのよ
永琳の代わりに鈴仙が説明する
妹紅:それをお前達が澪に盛ったのか?
永琳:それは違うけど、何も薬だけが催眠を引き起こすわけじゃない、鈴仙の目や、吸血鬼、悪魔や魔術を扱う者でも簡単に出来るわ
妹紅:ということはレミリア達が澪を?
鈴仙:他にもアリスや魔理沙や恐らく萃香でも可能だと思うよ
妹紅:なるほど、ここから一番近いのは何処だっけ?
永琳:ここからならアリスや魔理沙のいる魔法の森ね
妹紅:ならそこに行ってみるよ、ありがとう永琳、鈴仙
永琳:礼はいらないわよ、それよりも鈴仙を連れていきなさい、役に立つと思うから
妹紅:わかった、それじゃあまたな
妹紅は永琳から鈴仙を借り、魔法の森へと向かっていった
………………
………
永琳:今日はおとなしかったですね
輝夜:本当に、調子狂っちゃうわ…
永琳:私はこのままでも良いとは思いますけどね
輝夜:嫌よ、生きてる感じがしないから
心底いやそうな顔をする
永琳:それなら私達はどうしますか?
輝夜:イナバがいるなら動く必要は無いんでしょ?
永琳:えぇ、おそらくは…
輝夜:だったらいなくなった因幡を探しに行きましょうか
実は永遠亭からも因幡てゐが居なくなっていたのだ
永琳:姫様の言う通りに
いたずらっぽく言うと輝夜と永琳は妹紅とは違う方に歩いていった
[過去の歴史へ][新たな歴史へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!