リヴェイルの冷徹なる吹雪
sweet treating(1)
夕方
すでに日はすっかり傾いている。
ブリゼール「さすがに腹が空いたな。しかし、あと少しで一段落つくのだが……うーむ」
ニクス「あの、ブリゼール様」
ブリゼール「ニクスか。どうした」
ニクス「よろしければこれを……。お食事代わりといっては何ですが」
近侍の少年が手にしている盆の上には、湯気を立てる汁物の碗が乗っている。
「それは?」
「甘く煮込んだ豆のスープに、今朝畑で穫れたカボチャで作った団子を入れたものです。
料理番にお願いして作ってもらいました。何かお腹に入れた方がお仕事も捗るかと」
「ふむ……」
ブリゼールは手にしていたペンを置くと、
ニクスから器を受け取って、湯気を立てる汁物を一匙口に運んでみた。
煮込んだ豆の甘さとカボチャを練り込んだ団子の優しい口当たりが、
今朝から休みなしで働かせている頭の疲れを癒してくれるようだ。
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