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メリシダの魔導士(魔戦レイベルム・メリシダ編)
ある日の午後(2)
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一糸まとわぬ姿でラディアの隣に寝そべっている、利発そうな顔立ちをした黒髪の小柄な若者。

ラディアの同僚にして恋人、ネリスだ。

この青年にもラディアに同行して迎撃に赴くように指示が出ていた。

「……うん」

金髪の魔道士が言葉少なに答える。

恋人の表情はネリスの位置からよく見えなかったが、そのわずかな反応から、
これから起きる戦いに相手が高揚を覚えていることを黒髪の若者は感じ取った。

(仕方ないなぁ)

ネリスは苦笑する。僕たちの国が危険にさらされてるってのにさ。

「ここでささっと水浴びして行こうよ」

黒髪の若者が寝台に寝そべったまま片手を振ると、
大人4〜5人の全身がすっぽり入るほどの巨大な水の塊が寝台の脇の空中に現れた。

(本当は洗いっこしたいけど、そんな時間なさそうだもんなぁ)

寝台から降りて空中に浮かんでいる巨大な水滴に体を浸し、
睦事の名残を黙々と洗い流し始めた恋人に目をやって、ネリスは少し残念に思った。

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