メリシダの魔導士(魔戦レイベルム・メリシダ編)
ある日の午後(1)
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ある日の午後、自室にいた魔道士ラディアは
彼が所属するメリシダ軍からの出撃命令を受け取っていた。
「ミルダ地区に敵の侵入を確認! 至急迎撃を!」
「……了解」
ラディアは答えながら寝台からゆっくりと体を起こした。
室内には湿度を帯びた熱気が残っている。
ラディアのやや長い柔らかな金髪は乱れ、
男にしては華奢な痩せた裸の上半身が室内の明かりに白く浮かび上がっている。
周囲の大小様々な勢力と国境を接している小国メリシダは、
国防の大部分をこの人物に依存していた。
「また迎撃命令かぁ。最近多いよね」
魔道士と同じ寝台から彼を見上げて声をかける者がある。
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