高校生自由主義
春待ち





「こー、第2ボタンください!みたいなのないかなあ」
「シンジの第2ボタンなんかあるの?」
「「え?」」
「しゅんくんそれはガチかな?」
「は?なにが?」
「(ガチだー!)」





春うらら、ではないけど、やわらかい光が降り注ぐ今日このごろ。そろそろ卒業を迎えようとしていた


校門を通って、先生にさわやかなアイサツ。優等生ですからね!自転車置場にはなぜか小池のスニーカーの右だけ落ちてて、
そんないつもどおりの朝


少しだけ違う、廊下の空気



「はるかちゃんおはよー」
「シンジちゃんおはよ」
「あ、しゅんも来たー。おはよ」
「おー」
「小池のスニーカー落ちてたけど」
「拾ったの?えらいな」
「もう来てんのかな」
「あ、なんか女子からの告白を待つために早く行ってるって聞いた」
「なんだそれっ新手だ」
「頭わるいな、ほんとどうしようもなく」
「あーあ、でもなぁ。第2ボタンください!とかないかなあ」



こんなかんじにはなしは冒頭に戻る


「ベタなはなしだと思ってたけど」
「いや、そうだよ」
「さすがしゅん、不思議だ」
「かわいい後輩に、ずっと憧れてました!とか言われてーなー」
「あ〜言われてー」
「さっきあそー言われてたよ」
「なにっ!?」
「掲示板の前で女の子に囲まれてた」
「なにっ!?囲まれてた?女子はわけあわなきゃいかんっ!」
「なんだその理念」


シンジの春はまだ先のようだ



「くそぅ!おれも焼き肉の息子だったらなあ」
「あ?みんな焼き肉屋の嫁になりたいの?そうなの?」
「そうだ、焼き肉食べ放題になると思い込んでるんだ!あそーに洗脳されてる!」
「お前だけだよ」



頭の中だけは春爛漫ですか






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