高校生自由主義
盗んだバイクで青春







風が吹き抜ける廊下で、ため息をふきかけながら窓を磨く




「あーあーさむいー」
「お前じゃんけん負けるから」
「知らねー」
「指とれちゃうわ」
「せめてお湯出してくれればピカピカにするのに」
「なに、やる気とお湯は比例すんの?」
「しないするわけない」




すなわちアレだ



大掃除だ




教室ではワックスかけるために机を動かしてたり、ホウキで戦ってたり、階段は女子がきゃっきゃしながらモップかけてる
でもトイレ掃除とかじゃなくてよかった。薄暗くて汚いし
まだ明るいだけ廊下の窓ふきでマシ




「あーじゃ応援歌うたう」
「はい?マジメに拭いてて」
「やだ指とれるギター弾けなくなんじゃん」
「なんねーよ、しゅんなら心で弾けるから」
「弾けねーよ」
「いや、yesterdayなら心で…」
「じゃあ指とれるまで窓拭いて」
「やだーいっそ窓割ってしまおうか」
「不良少年か」
「盗んだバイクで走り出したかった高校生活」




そんなこんなだったけど、そこそこ窓はきれいになりました(下の方だけ)




「はるかたち窓拭いてるの見えたよー」
「原ちゃんどこ掃除してた?」
「校庭でサッカーしてた」
「なんでだよ」
「体育倉庫かたづけてた先生がテンションあがっちゃってさー!」
「なにそれっ俺なんか職員室の掃除だったのに!」
「小池だって職員室で菓子食べてたろ、見た」
「なにそれってこっちのセリフだ。指とれたぞ」
「とれてないよ」



これから卒業式の練習
なんかおもしろいことにならないかなあって、汗かいて学ラン脱いでる原ちゃんが足ぶらぶら


まだまだ、ガキであります。







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