[携帯モード] [URL送信]

SottoVoce


「僕はきっと、
世界で一番愚かなんだ」

彼は苦笑混じりに言った。

「でも、世界で一番幸せ
なんだとも思うよ」

今度は少しおどけたように、
肩を竦めて告げる。

トリッシュは困ったような
笑顔を浮かべて、
それから、
彼の氷のようにひんやりとした
滑らかな手に触れた。

「じゃあ、私も
世界で一番馬鹿で幸せ
なのかもね」



第1章 亡母の田舎

 




レビュー(0件)


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!