ソーマの場合 「やったな、ソーマ!」 討伐対象が動かなくなったのを確認して、コアを摘出するなり、シオンは片手を上げてソーマの方を向いた。 「…」 が、向けられた目も、上げられた手も、何がしたいのかわからない。と言ったような反応を無言で返した。 「ん?なしたよ、ほれ、」 「?」 ほれ、と言われても、何がしたいのか解らなかった。 「ハイタッチだよ。もしかして、やったことない?」 シオンが不思議そうに首をかしげた。 「ない」 ぶっきらぼうに返した。 「なんで俺がおまえと」 「お、じゃあ俺がソーマの初ハイタッチってことじゃん。やりー!」 ソーマの話も碌に聞かないで、シオンは続けた。 「てことで」 シオンはにっこりと、笑顔を貼り付けてソーマににじり寄った。 「断る」 「いいからいいから!!ほい!」 シオンは勝手にソーマの手を掴んで無理やりハイタッチをする。 パシン、とまではいかなかったが、ぺちっと手と手がぶつかった音がした。 ソーマは、なんだこいつは、人の話なんて聞こうともしない。と、明らかに不快そうだったが、当の本人はまったく気にしていない様子だった。 「へへー。初ハイタッチゲットー!!」 なんて馬鹿みたいに緩んだ笑顔を見ていたら、怒るのも気分を害するのも馬鹿らしくなってきて、ソーマはイーブルワンを肩に担いで後ろを向き、歩き出した。 「ちょ、ソーマ待ってって!一緒に帰ろうぜー」 馬鹿な奴だ。 (お、ソーマ今笑ってたんでない?) シオンとメインキャラの関係を明確にしてみよう企画その1! [*前へ] |