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短編
おやすみ


一日の仕事が終わって、風呂に入って自分のベッドに横になる。
少しの疲れが溜まっていたのかすぐに眠気が襲ってきて、ソーマはそれに逆らわずに夢の世界へと意識を飛ばした。














「…ん?」
シュッと扉の開く音がした。
こんな夜中に来やがって迷惑な奴だ、と思ってその姿を確認しようと上半身を起こした。が、誰かが布団に潜り込んできてまたベッドに戻された。

「おい」

返事はない。
けれど、何処かで嗅いだことのあるタバコの臭いがした。

「………リンドウ?」

「疲れた。寝る」

「あ?何いってんだ」

「安眠妨害したら襲うからな」

「………。」

いきなり押し掛けてきて、勝手に人の布団に潜り込んどいて、どっちが安眠妨害してると思ってやがる。
それに、無駄にくっついてくるから狭い上に、頭を抱えられて顔をリンドウの胸の辺りに押し付けられているから息がし辛い。

「おい、リンドウ苦しい。離せ」

言ってみるがもちろん返事はない。
代わりに、規則的な寝息が聞こえてきた。
何を言っても状況は好転しないだろうから諦めよう。
それに、こんな安心しきった顔のリンドウを見たのはいつぶりだろうか。
最近は特務がたて続き入っているらしく、姿を見掛けることすらあまりないのに、たまに見掛ければ疲労が溜まっているように見えた。
恐らく、ろくに休みも仮眠もとっていないだろう事は、リンドウが倒れ込んできてすぐに眠りについたことから容易に想像ができた。

「…そんなになるまで働くな。ばか」

人肌の温もりで微睡み始めたソーマは、そう一言溢して再び眠りについた。




おやすみ
(明日起きたら説教してやる。)

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あきゅろす。
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