Alice's Watch
9始まりの予感
貴女に聞かせたいお話が、物語がたくさんあります。
いつも真剣に話を聞いてくれた貴女のために、たくさんたくさん聞いてもらいたいことがあります。
その前に、一つ質問してもいいですか?
本当に、
貴女は私を、忘れてしまったのですか――――――?
『 』
「―――はい。まだ調査している段階です。」
暗い部屋の中、よく響く女性の声が聞こえる。
誰かと話しているであろうその声は、どう澄ましても一人分の声だけしか聞こえない。
「わかっています。あのお方の憂いを、晴らさせてみせましょう。」
「たとえ、どんなことをしてでも」
話し声が聞こえなくなり、元通りの静寂が訪れる。
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