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Alice's Watch



奥にはたくさんの部屋がある。

この黒い教会は、とても大きいのである。

するとシトは、ある一つの部屋でとまり、アスが入ってくる前にすかさず戸を閉めた。


「ちょっ、シトくん!?そこお風呂―!ここ教会ぃぃー!!!」


ドアを必死に叩いていたアスに、シトは強烈な一撃を喰らわした。

相手が完全にそこにいるだろうと知った上でのドア挟み。


「あぁ、すみませんが、お風呂をお借りしますね。アリス様はひどくお疲れのようなので。」


なんだか、少しズレた謝罪だが、アスは何やら納得したようであった。


「いてててて・・・。にしても、やっぱりあれは血の臭いだったんだ。まぁ、アリスのでなければ、どうでもいいけどね。」


神父あるまじき言葉である。


「しかし、あのままアリス様に付けておく訳にはいきませんから。ここの妖精お借りしましたよ。」


「構わないよ。でも珍しいね。シトが他に任せて出てくるなんて。」


話しながら二人は歩き出した。


「・・・・・追い出されたんですよ。妖精に。今の私はとても嫌われているようですからね。」


そう言うシトに表情はない。

本当にアリスしか思っていないようである。

しかしそんな彼を、アスは心配そうに見つめていた。






end


第3話 〜感動すべき再会〜
 

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