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忘却葬送曲
Sixth Movement 3

校門まで小走りに行くと、さっき会ったばかりの藤堂先輩と、少し困ったように笑う新島先輩が待っていた。
彼らの手には、学校のすぐ近くにあるコンビニのビニール袋があった。
俺を待っている間に買ってきたのだろうか。

新島先輩は何故か申し訳なさそうに、やって来た俺に言った。

「ごめんな、藤堂がいきなり付き合わせて・・・なあ、やっぱり透夜が困るだろう?」

「新島、俺はどうしても、こいつに見届けて欲しい。・・・なんとなくだが、これからの俺達のためにも、透夜のためにもなりそうな気がするんだ」

真剣な顔をして話し合う彼らに、さっぱり事情が飲み込めない俺は、首をかしげる。

「あの・・・それで、どんな用事なんですか。これからどこへ・・・?」

「悪い、まだ言っていなかったな・・・透夜、俺達の代の生徒会には、お前が来た時点で、会計がいなかったよな?」

藤堂先輩の問いかけに、俺は先日の生徒会離任式を思い出す。
確かに壇上に登ったのは、生徒会長と副会長の二人だけだった。会計はいなかったはずだ。

「ええ、そうでしたね。・・・その、会計だった方は?」

「・・・水野は、心臓の発作で、一学期に亡くなってしまったんだよ」

俺に答えた新島先輩は、とても寂しげに笑っていた。
藤堂先輩が心配そうな視線を彼に向けつつ、俺に説明する。

「これからそいつの墓に行って、俺達だけであいつの離任式をやるんだ。
全く知らない奴の墓参りなんて、憂鬱なだけかもしれないが・・・」

「俺は構いません。でもそんな大切な事に、俺が一緒に行ってもいいんですか・・・?」

戸惑う俺に、新島先輩が微笑みながら言った。

「辛くなるかもしれないけど、・・・でも、俺も君に見て欲しい。
あいつのことを知ってもらいたいんだ・・・本当にいい奴だったから、水野は」

愛おしむように、彼に名前を紡がれた人物は、一体どんな人だったんだろうか。
純粋に知りたいという気持ちが湧いてきて、俺は首を縦に振った。

「はい、それでは是非」

「・・・よし、行くとするか。暗くならないうちに済ませるぞ!」

藤堂先輩の明るい声を合図に、俺達は校門から出ていった。


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あきゅろす。
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