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忘却葬送曲
Third Movement 1

トン、トン、トン・・・

その一定のリズムで奏でられる音が、俺の瞼をゆっくりと開かせた。

体を覆っていた薄いタオルケットをのけて、ベッドから体を起こす。
昨晩から開けっ放しにしていた窓の網戸から朝の風が入り込み、モスグリーンのカーテンをふわりと揺らした。

その何気ない日常の光景に頬を緩ませた俺は、しっかりと両足で立ち上がってダイニングへと繋がるドアを開いた。

朝日が差し込む眩しいキッチンで、まな板の上に乗った野菜を切っている彼に、俺はいつものように朝の挨拶をする。

「おはようございます、近江さん」

忙しなく動かしていた手を止めて振り返った彼も、いつも通り、ふんわりと笑って答えた。

「おはよう、透夜」


忘却葬送曲 〜Third movement〜

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あきゅろす。
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