忘却葬送曲
Second Movement 9
ターン・・・!
軽い銃声が、ホールに響いて消えた。
銃弾を浴びて倒れた彼の身体から、鮮血が流れ落ちる。
その血に塗れることも厭わず近江の身体を抱きかかえた中原は、悲鳴のような声を上げた。
「・・・どうして、なんで、・・・また、俺なんかかばうんだよ、真琴・・・!」
真っ赤な血が溢れ出た彼の口からは、その返事は無い。
急に少年の元へ飛び出していった近江を引き止めることができなかった俺は、その悲愴な光景に唇を噛み締めた。
静かに沈黙し続ける彼の身体を優しく横たえた中原は、ホールにいる人間たちを睨みつけた。
その目には、激しい憎しみの炎が宿っている。
「・・・誰だ、・・・どいつだ、真琴を殺したのは・・・!」
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