忘却葬送曲
First Movement 9
堤が決壊したかのように、次々と溢れてはこぼれ落ちる涙が、生徒会室の床を濡らした。
ああ、俺もずっと、お前のことが・・・こんなにも、好きだったんだ・・・!
お前のこと、俺だって、ずっと見ていたんだ。
あんな楽しそうに、幸せそうに本を読んでいるのは、誰だろうって。
だからあの図書館で、わざわざ勉強していたんだ。家の部屋でやればいいことなのに、お前のその顔が見たかったから・・・。
俺は持っていた鞄を落とし、全身から力を失ったかのように床に座り込んだ。
「どうして、俺はお前に答えることが出来なかったんだ・・・それがあの時出来たなら、お前にあんな悲しそうな顔、させなくて済んだのに・・・、亮・・・!」
胸をえぐるような酷い後悔に苛まれ、日が完全に沈んでしまうまで、俺はその場で嗚咽し続けた。
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