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直感的学園生活
学園のテンペスト(上) 10

「・・・大石君、あれは何?」

「いわゆるお立ち台というやつだな、駒井生徒会長」

校舎と学生寮の間にある中庭には、騒ぎを聞きつけた大勢の生徒(野次馬)が集まり始めている。
風紀委員達の手によって突如設置されたそれは、彼らの興味を惹くのに十分過ぎた。

あの後僕達が話し合った結果、「壁があっても声なら届くはずだ!」という光太のアイデアが出て、「「じゃあメガフォンを持って説得してみようよー、刑事モノ風に!」」という三島双子の冗談めいた意見に乗せられて、この状況に至る。

「わざわざお立ち台を作る必要は・・・」

「その方が面白いだろう。不安がっていた奴らもあんな様子だしな」

大石君が指差す先には「これから何が始まるの?」と期待を膨らませる生徒達の姿があった。
確かに、動揺していた空気は落ち着きつつある。
説得して効果があるのかは分からないけど・・・やるだけやってみよう。

「よし、準備は整ったようだな。まずは誰が行くか・・・」

「やっぱり近藤先輩かな。さっき電話を掛けてきたという事は、一番信用出来る相手だからじゃない?」

「まあそれが正攻法だろうな。よし、近藤さんを呼んで来よう」


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