[携帯モード] [URL送信]

直感的学園生活
キテレツグルメ紀行 4

早朝の森は、吐く息が驚くほど白く、うっすらと積もった雪に足を取られそうになる。
腕に抱えているボウルの中身を零さないよう、僕は慎重に樹々の中を進んでいった。

ようやく目標を見つけた僕は、一度深呼吸してから、恐る恐る歩み寄る。

「・・・きょ、きょろちゃーん、ごはんの時間だよー・・・」

「キシャー!クェックェックェッ・・・」

某お菓子のキャラクターとは似ても似つかない容貌の彼は、僕が持っているキノコの山に気付くと嬉しそうに鳴いた。・・・声はちょっと同じだけれど、見た目が怖過ぎるよ・・・。
僕がシイタケボウルを地面に置くと、キョロちゃんはあっと言う間にそれを平らげた。

「温室植物の世話に、動物の飼育。・・・なんか会長と言うより、生き物係だ・・・」

何故僕が山の主“キョロちゃん”を世話しているかと言うと、現生徒会長として望月さんに頼まれたからだ。

彼は理事長が飼っていたペットであり、且つ裏山からの不審者の侵入を防ぐための、番犬らしい。
メカもこもっこん君を一撃で伸してしまう事を考えれば、確かに強力だけれど・・・そこまで必要なのかな?

生徒会の仕事は、今年度も引き続き役員となった長田君や三島双子のおかげで順調だ。
理事長が亡くなったイレギュラーな状況で、臨機応変に動ける彼らの力に、僕は助けられていた。

「・・・倖田先輩、今日も授業休むのかな」

「・・・クェ?」

僕の沈んだ声に、キョロちゃんは猿によく似た首を傾げる。
・・・そう言えばヌエって、トラツグミのような声で鳴くんじゃなかったっけ?



[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!