直感的学園生活 ノスタルジック・メイストーム 9 食堂前での小さな騒動が終わり、俺達は今朝食を堪能している。 うむ、焼きたてクロワッサンが香ばしい・・・コーヒーと相性バッチリだ。 ざわざわ・・・ 「おい・・・彼が今朝の号外に載っていた、駒井って奴じゃないか?」 「ああ、あの不憫な・・・もう元気になったのか、良かったな」 「俺さっき見たぞ。あいつ、すげぇ動きで落ちる壺をキャッチしていたぜ、只者じゃねぇな・・・!」 生徒達の注目の的となっている翔は、げんなりとした表情で焼き鮭をつついていた。 「・・・うう、真田先輩のせいで、変に生暖かい視線を浴びる羽目に・・・食欲が減衰する」 「まあ、良い意味の注目だ。そんなに身を固くする必要はないぞ」 「そうですけど・・・はぁ、こんな人の目にさらされながら食べるのは、あの頃以来だ・・・」 どこか遠くを見つめているふうの翔は、だし巻き卵をもぐもぐと食べた。 俺はコーヒーを一口飲み、本題を切り出す。 「さて・・・翔、放課後の準備はバッチリか?」 「もぐもぐ・・・ごくん。もちろんです。しっかり周知しましたし、資料の配布も済んでいます。あとは当日準備だけですね」 「よし。ターゲットに知られないよう隠密に頼むぞ。こういうものは、事前にバレてしまうとつまらないからな」 「あんまり気をつけなくても大丈夫そうですけど。・・・ふふ、上手くいくといいですね」 にっこりと微笑む翔に、俺も笑って返した。 [*前へ][次へ#] [戻る] |