直感的学園生活 謎解きは鬼ごっこのあとで 8 (坊ちゃん、倖田様は今生徒会室から出ました。おそらく次は食堂へと向かいます) 「ああ、ありがとう吉田。すぐに移動する・・・ズルズル」 残りの月見うどんを急いですすった俺は、急いで席を立った。 ・・・まるで立ち食いそばのサラリーマンのような慌ただしさな俺を、周りの生徒達が訝しげに見つめている。 倖田の襲来を恐れた俺は、授業にも出ず、生徒会の仕事もせず、ひたすら逃げ続けていた。 ・・・いやまあ、不毛だとは分かっているんだが、仕方ない。逃げたいものは逃げたいのだ。 しかし、驚異の第六感を持つあいつから逃げるのは至難の業だ。 こうして逐一吉田に報告してもらうことで、なんとか倖田を出し抜いている。 寮部屋に籠城するという手もあったが、やはり一日中部屋にこもっているのは気が滅入る上、腹が減る・・・。 それにあいつなら、どうにかして部屋に入ってきそうだからな・・・例えば、どこでも開けられる幻のカードキーを手に入れたりとか、ドアそのものを消滅させたりとか・・・。 (しかし坊ちゃん・・・やはり倖田様としっかりお話をされた方が、宜しいのでは?) 「わかっている。・・・ただ少しだけ、考える時間が欲しいんだ」 (・・・わかりました、引き続き倖田様を監視致します。坊ちゃんのお時間を、この吉田がお作りしましょう) 「悪い・・・頼んだ」 通話を切った俺は、倖田に追いつかれないよう早足で食堂を後にした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |