直感的学園生活 謎解きは鬼ごっこのあとで 4 放課後、選挙管理委員から資料と届出用紙を受け取った僕達は、その内容を寮の部屋で確認していた。 「立候補するためには推薦者名簿が一枚と、選挙演説会で推薦スピーチしてくれる人が一人必要らしいぞ!」 「名簿には10名以上が名前を書けば大丈夫なんだね」 学園に大嵐をもたらしていた頃とは違い、光太には沢山友達がいる。 推薦してくれる人には困らないだろうし、今のところ他に立候補しようとしている人はいないらしい。 特に問題が起きない限り光太は副会長になれるだろう。 「問題はこの推薦スピーチをする人かな。全校生徒の前で堂々と話せる人じゃないといけないし、現職役員がするのは禁止されているから、大森先輩には頼めないね・・・」 「翔なら大丈夫だと思うぞ!なあ、演説やってくれないか?」 「いやいや、僕にそんな器量は・・・そうだ、倖田先輩なら引き受けてくれるかも。先輩が演説したらものすごく支持が集まるだろうし、・・・集まり過ぎて立候補者が霞みそうだけど」 「向かうところ敵なし過ぎてチートだな!」 確かに・・・倖田先輩を味方につけるということは、勇者が伝説の魔剣と鎧を初期装備しているようなものだ。 それでいいのかは別にして、間違いなくクリア出来る。 「スピーチするには準備が要るだろうし、善は急げだね。早速僕が倖田先輩に頼んでくるよ」 「俺は推薦してくれる人を集めて来る!よろしく頼むぞ、翔!」 「うん。一緒に頑張ろう、光太」 僕達は笑顔で拳を合わせた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |