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直感的学園生活
学園祭の中心で愛を叫ぶ(バラ色ライス) 2

ズシーン、ズシーン、

モコモッコーン!モコモッコーン!

校庭に突然現れた謎の巨大ピンクロボに、学園祭を楽しんでいた人々のほとんどが、その動向を注視していた。
全く、会計はいつの間にあんな阿呆な物作っていたんだ。・・・それにこの悪夢再来のようなピンクマリモは誰だ、・・・趣味が悪すぎる。

「長田会計、あれがぶつかったら木は折れそうか?」

「見た目はふわふわだけど、中身は鉄筋の骨組みだからねー無事とはいかないかも」

「・・・そうか」

今井はロボが進む先にある、桜の樹をじっと見つめている。
またこいつは、大切な存在を失ってしまうのか・・・俺が無力さを噛み締めていた、その時。

迫り来る巨大ロボと、桜の樹の間に入った奴らがいた。・・・あれは、

「今井様の大切な桜をお守りしろ!全員、絶対に引くなよ。最後まで諦めるな!」

「「「はい!」」」

今井親衛隊長、遠藤の勇ましい声に答えるように、安城、和田、谷・・・その他親衛隊全員の凛々しい声が校庭に響き渡った。
彼らの姿を見た今井は、動揺して大きな声を上げる。

「・・・どうして、この桜のことを知っているの・・・!」

「今井様、俺達今井親衛隊は、あなたの良き理解者であり、絶対的な味方であるよう日々精進しているのです。・・・あなたが我々を信じてくださらなくとも、俺達の志に変わりはありません。あなたの大切なものは、俺達が必ず守り抜きます!・・・そうだよな、お前ら!」

「「「おおー!」」」

勇ましい声を上げた彼らは、巨大ロボへと一斉に突っ込んでいった。
両足を踏ん張り、桜の樹へ進もうとするその鉄の巨体を必死に押し留める。・・・駄目だ、力負けしている。

だが・・・生徒達が望むなら、それを叶えるのが生徒会長ってもんだろ。

上着を脱ぎ捨てた俺は、真っ直ぐ走り出した。
苦戦している彼らの中に加わる。

「東野様に続け、生徒会長親衛隊!遅れを取るな、お助けせよ!」

「「「了解!」」」

今日の学園祭まで俺をしっかりサポートしてくれた連中が、更にそこに加わった。・・・ありがとうな。

ロボの圧倒的な推進力で俺達は、徐々に後方へと押しやられる。この勝負に勝目はないかもしれない。・・・だが、今井。

負けたとしても、お前はもう一人で泣かなくて済みそうだぞ。



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あきゅろす。
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