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直感的学園生活
学園祭の中心で愛を叫ぶ(B定食) 4

「ここが、愛しい息子が通う学園か。・・・なんというか、随分立派なんだな」

沢山の人で賑わう校舎の前へと立った私は、その豪華な造りに圧倒されつつも、幸せに頬を緩ませていた。
この前の帰省では十分彼と過ごせなかったからな・・・邪魔にならない程度に息子愛の充電をさせてもらおう。

この日のために一眼レフカメラも用意した。
ばっちりバラ色な家族写真を収めて帰るぞ!ふっふっふ・・・。

「こそこそ(ねえ、あの人倖田先輩に似ていない?家族かな)」

「ひそひそ(でも、なんか不気味だよ・・・にやにや、というよりは、うへうへって感じ・・・)」

うへうへと笑っている私を、奇妙な生物を見るかのように生徒達が見つめていた。
すっかり崩れた表情を元に戻した私は、ひとつ咳払いする。

「ごほんっ。・・・しかし、どこに知之はいるのだろうか。メールを・・・いや、あえて連絡はせずにドッキリを仕掛けたい。驚いた愛息子の顔を撮影しよう」

まさか、その息子は今学園にはいないという事実を知らない私は、意気揚々と校舎の中へと入っていった。



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あきゅろす。
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