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直感的学園生活
俺のバラ色学園改革 1

第一回 俺のバラ色学園改革


「だが、・・・最近、何かが物足りないな」

俺は食べかけの麻婆豆腐を見つめて、考え込む。

今日も変わらず、この学食のシェフが作った料理の味は完璧だ。決してこの料理に問題があるわけではない。
ただ、この麻婆豆腐には、俺が求めている何かが無いのだ。

「どういうことだ・・・?」

眉間にしわを寄せ、俺が悩んでいた・・・その時、

俺の第六感が告げる。

―今すぐに校舎裏へと向かえ!その先に、お前のバラ色はある―

俺は音を立てて椅子から立ち上がった。
胸ポケットから紙とペンを取り出すと、「すぐに戻ってきます」と麻婆豆腐の隣に書置きを残し、急いで出口へと向かった。


校舎裏と言えば、親衛隊がよく呼び出しに使う場所であり、近寄るだけでトラブルに巻き込まれかねない場所だ。
「校舎裏へは近づかないほうがいい」という直感がいつも働いていた俺は、一度も行ったことがない。
まあ、常識的に考えてもその方が賢明だろう。

案の定、一人の地味な少年が親衛隊らしき小さな集団に囲まれている。
俺は建物の影に隠れてその様子を伺っていた。

しかし、「ここへ向かえ」という第六感が働いた以上、あの少年を助けないと、俺のバラ色学園生活はないということだ。厄介事は嫌だが、仕方ない。

俺は隠れていた場所から離れ、彼らに歩み寄る。
近づいてきた俺に気がつき、親衛隊の彼らは動揺して声を上げた。

「なっ、倖田様、あなたが何故ここに・・・」

「・・・なんの御用で、ここへいらしたんですか」

「俺の直感がそう告げたからだ。・・・そこの、制裁されかけている少年よ、君を助けに来た。・・・俺のバラ色学園生活のために」

「・・・はい?」

 不安そうに顔をこわばらせていた少年は、俺のかけた言葉の意味が理解できていないのか、不思議そうに俺を見つめている。
それに構わず、俺はその少年をかばうように立ち、親衛隊の彼らに向き合う。

「事情は知らないが、副会長親衛隊の君達、・・・佐野隊員と古賀隊員か。俺はこの少年を助けなければいけない。今日のところは手を引いてくれないか」

彼らの名前を呼ぶと、佐野隊員は警戒するように俺に睨みつけ、古賀隊員は嬉しそうに目を輝かせた。

「僕たちの名前と所属を把握していらっしゃるなんて・・・!」

「・・・、例えあなただろうと、そういうわけには行きません。僕たち親衛隊はもう、追い詰められているんです。どうか、お下がりください。・・・でなければ、実力行使に出ます」

建物の影から、腕力の強そうな生徒が二人出てきた。
まあ、そういうことだろう。

「交渉決裂か。・・・仕方ない。こちらも力で応戦しようじゃないか」


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