直感的学園生活 真夏の夜の大合唱 3 「おお、これは凄まじい光景だな・・・」 「・・・デスクが物に埋もれて全く見えない・・・一体どうすればこうなるんですか、斎藤先生」 夏休みも残すところ今日一日となったその夕方、俺と野球少年は斎藤生徒会顧問に職員室に呼び出されていた。 顧問のデスクの周り3m以内には、まるでそこに磁力が発生しているかのように大量の物が積み上がっている。紙の山、ダンボール、大鍋、朝顔の鉢、浮き輪、マラカス・・・どういう経緯でここに来たのか謎だな。 「あー弟の真吾が帰省している間に、こーなっちまってさー。真吾は寮部屋の方を片付けているし、明日俺のクラスに配るプリントが見つからねーの。ちょー困っているから、片付け手伝ってくれ。これやるからさー」 斎藤顧問は口が開いている菓子箱を少年に手渡した。 「・・・また開封済みポッキーですか・・・」 「斎藤生徒会顧問、俺は菓子箱ひとつのために動く男ではないぞ。よりバラ色な対価が必要だ」 俺がそう言うと、彼は頭をぼりぼりと掻いてからその提案をした。 「仕方ねえなー。・・・じゃあこの中から見つけたもの、ひとつだけ好きなものを持って行っていいぜー、仕事関係の物以外ならな」 「・・・ふむ、それは面白そうだな。了解した、貴殿のデスクを片付けて差し上げよう」 「じゃあ、よろしく頼むわー」 [*前へ][次へ#] [戻る] |