直感的学園生活 家族会議は踊って騒いでホームラン! 2 第五回 家族会議は踊って騒いでホームラン! ミーンミーンミーン・・・ 蝉の大音量の合唱が響き渡る、閑散とした校舎。 学園は夏休みに突入し、ほとんどの生徒が今は帰省している。 俺は売店で買ったソーダアイスをかじりつつ、真夏の日差しが照りつける中庭を歩いていた。 その一角にあるガラス張りの建物の扉を開くと、意外なことに先客がいた。 「なんだ少年、お前は帰っていなかったのか?」 麦わら帽子を被った雨上がり少年は、蒸し暑い温室内の南国植物たちに水をあげていた。 俺がかけた声に驚いて、彼が振り返る。ホースの水を止めて俺の方へ近づいて来た。 「倖田先輩こそ、実家から戻ってきたんですか?確か、夏休みに入ってからすぐ帰省していましたよね」 「ああ。珍しく俺の父親が日本へと帰って来ていたからな。実家へ戻ったんだが・・・」 [*前へ][次へ#] [戻る] |