直感的学園生活 梅雨の恩返し 8 「・・・ああ長田会計か、見舞いに来てくれたのか・・・」 「その通りです、ちゃんと見舞いの品も持ってきましたよ!これを食べてください、倖田先輩」 長田君は意気揚々とうさぎ柄の包みを開き、中に入っていたハローキティ弁当の蓋を開けた。 「じゃーん、大人気キャラクター「もこもっこん君」のキャラ弁だよ!可愛いでしょー」 女子高校生の間で今話題沸騰のもこもっこん君とは、ショッキングピンクの雲のような形をしたキャラクターで・・・まさに、上島君のカツラにそっくりな姿をしている。 会計が転入生に惚れた理由がそこに有るとか無いとか・・・まあ、今の僕には関係のない話だ。 倖田先輩は、毒々しい色をした桜でんぶご飯を、目を瞬かせながら見つめていた。 「・・・目がチカチカする」 「遠慮せずに食べてみてくださいよ、味付けにもこだわっていますからー」 長田君に促された先輩は、ピンク色ではない部分を箸で突っつき始める。 ハート形に切り抜かれた野菜を数個もそもそと食べてすぐ、その弁当タイムは終了した。 [*前へ][次へ#] [戻る] |