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直感的学園生活
俺のバラ色学園改革 9

親切な少年は現在、第六号まで増加した。
俺はコーヒーの次は紅茶を淹れ、その次はココアを作り、戸棚にあった菓子まで勝手に出して、彼らをもてなし続けていた。

すっかり飲み物片手に打ち解け合った彼らは、ここが生徒会室であることも忘れて楽しく談笑している。

俺は持っていたポットを静かに置き、彼らに向き直った。

「さて、ここに集まった親切な諸君。・・・ただの物ほど高い物はない、という先人の教えを知っているかな」

俺があくどい笑み浮かべながら言った言葉に、親切な少年第一号〜第六号は身構える。

「えっ、倖田先輩、お礼に淹れて下さったはずでは・・・?」

「ああ、最初の一杯は。・・・だが、それ以降は有料だ。悪いが、君達にはこれからその対価を支払ってもらわなければならない」

俺は腕を勢いよく広げ、床や机に散乱している書類を彼らに指し示した。

「この生徒会室に溜まり込んだ書類を整理、仕分けし、今日中に片付けなければいけない分を処理してもらおう。・・・今から君達は、一日生徒会役員だ」

「「「・・・ええー!?」」」

生徒会室に親切少年ズの大絶叫が鳴り響いた。
こらこら、会長が起きてしまうぞ。

「そんな無茶な!いくらなんでも無理ですよ、それは・・・」

反論してくる彼らを手で制し、俺は彼らに語り始める。

「いいや、わざわざ遠い特別棟にあるこの生徒会室まで、書類を届けに来てくれた君達には、それが可能なんだ。
・・・この紙が生徒会の重要な書類であることをすぐに見抜けた読解力、そして面倒と思わずに届けに行こうと思った真面目さ、実行力と度胸。まさに生徒会に必要なものを兼ね備えているんだ、君達親切少年ズは」

俺の熱のこもった説得に、彼らは少しずつ心を動かされているようだ。・・・よし、あともうひと押しか。

俺は再び書類の山へ、彼らの視線を導く。

「この生徒会室の惨状をよく見ろ。
この紙一枚一枚に、俺達の学園生活がかかっているというのに、この有様だ・・・。
ただ待っていたって、俺達に充実した学園生活はおとずれない。・・・一日くらい、俺たちの学園のために、自分の頭と手を動かしてみないか?」

俺の瞳を見つめている彼らの目に、火がついたのがわかった。よし、これはいける。

「やりましょう・・・俺達の学園生活は、誰でもない、俺達が作っていくべきものです」

「・・・僕にもできることがあるならば、やってみたいです、先輩」

「それじゃあ、やってみますか。先輩、よろしくねー」

「ああ、・・・みんな、よろしく頼む」

「「「はい!」」」



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あきゅろす。
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