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lost memory, last train
Carnival 4

人ごみや学園祭の賑やかな雰囲気が少し苦手な僕は、静かな中庭へと避難していた。
たこ焼きやクッキーなど、ここに来る途中で入手した食べ物をつまんで、寝転んだ。

もうすぐ、僕たちのクラスの劇の上演が始まる。
当日に僕がする仕事は無いから別に行かなくてもいいけど、文人がするナレーションだけは聞いておきたかった。

身体を起こして、自分のクラスの教室へと移動するため立ち上がる。




舞台裏に待機している俺は、さっき見た絵の衝撃からまだ完全に立ち直れずにいた。
少しぼんやりとした頭で台本の最終チェックをする。
他の役者たちは全員そわそわして開幕の時を待っていた。

「そろそろ幕を上げる、みんな、頼んだぞ」

劇の始まりを知らせる声がかかった。
にわかに、舞台裏に緊張が走る。

俺は気分を入れ替えて物語に集中するため、幸也が描いた背景の星空を眺めた。

開幕を知らせるチャイムが、発車ベルのように鳴り響く。



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