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5時間目 人形の少年



『ラルっ』





『ラルっ!!』





『僕ね…大きくなったら、君をお嫁さんにするよ!!』





『だから、いつか迎えに行くから待っててね…』







たまに夢に出る、俺が幼い頃の記憶…


まさか、アイツが…こんなことを……

するなんてな……









「じゃあ、いきなり居なくなったりしたら、君らはどんな顔をするだろうね♪」

不意に第三者の声が窓から聞こえた。

スカルとラルはハッとして、窓の方を見ると

窓には誰かがいた


少年が窓の枠に腰をかけている。
パッと見た感じではラルやスカルと変わらない歳だろう。

魔法使いのような格好をしている淡い桃色の天然パーマに大きな翠の瞳


でも、なぜか一般人には無い特有の匂いを感じさせる。

そう、これは裏社会で生きる人間の匂い。


ラルは知っていた…この少年を……



「………ジ…ンジャー…?」

ラルは小さな声で呟いた


「え……!?」

「ふふ♪久しぶりだね♪ラル」


例えるなら人形のような少年



「…」

「♪君が僕の事を覚えていたなんて光栄だよ♪」

人形の少年はラルに近づいていくそして至近距離まで到達し顔を近づけようとした瞬間


「この人には近づかないでください」



いつの間にかスカルがラルと少年の間に入り、ラルの前に立っていた


「フーン♪君はラルの彼氏クンじゃないから、用事はないよ♪」


「……」


ラルはさっきから黙りっぱなしだ

「ラルさん……?」

「ふふ♪そういえばラル♪コロネロ…いや君の彼氏クンは元気かい♪」

ジンジャーはラルをたしなめるように見る
ラルはそんなジンジャーに対してやっと口を開く。


「…お前だったんだろ………」

「?」

ラルはジンジャーを睨む

「お前だったんだろ…昨日の事件の首謀者は……」

「!!?」

「♪」


ラルのその発言でスカルは驚きを隠せなかった。

一方、ジンジャーは楽しそうだった。


「ん〜♪正解〜♪」

「なんで…こんなこと!!」
ラルはさっきよりジンジャーを睨む。
でもジンジャーはお構いなしに自分の腕時計を見る。

「もう時間だ♪じゃあね〜ラル♪また時間がある時にね♪今度はコロネロも一緒にね♪」


「!!!?」


ジンジャーはそう言うとラルに小さく手を振って窓から飛び降りた






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