テイルズ学園
それぞれの休日(3)
「ンフフフ……あちこちでやって居ますねぇ。やはり、桜の季節はこれでしょう。」
「そうね…………リンク君、美味しい?」
「うん♪♪」
王騎様がそういう。傍らの水晶さんはリンク君に野菜やら肉やらを取って上げて、口元まで持っていって上げています。やはりバカップル……
「…………あれ?お姉ちゃん達?」
「やっと起きたのね。ロラ。」
「肉とか焼けてるわ。早く食べなさい。焦げるから。」
「は〜い。」
「あれ?お姉ちゃんきたの?」
「ええ………ついでに大量の肉と野菜仕入れて来たわ。」
「これは気が利きますねぇ。龍鳳(りゅうほう)」
やっと起きた私。お姉ちゃん達の姿を見て驚きました。私を誘うレオお姉ちゃん。そんな中、リヤカーに肉のパックやら野菜を切った物を女性が運んできました。反応したのは龍驤さん。どうやらお姉さんのようです。
「どうです?貴女も一緒に。」
「そうね。私も参加させて頂くわ。」
「しかし、殿、大人数になりましたな。」
「コココ……隆国、よろしいではありませんか。賑やかなほうが美味しいですよぉ。ねぇ水晶。」
「ん?……………そうね。」
「ノリが良くないですねぇ。まぁいいでしょう。」
隆国軍長が王騎様に話しかけていました。そして、いきなり話題を水晶に振ります。しかし、彼女は野菜を食べている最中のことで直ぐには返せませんでした。
ノリが良くないって…………口に物が入ったまま喋るのはマナー悪い上に、女性だからはしたないよ〜。
「「「水晶様〜私達も入れて〜」」」
「「「マスター〜!!」」」
いきなりやってきたのは疑似精霊族。ぱっと見て水が二人に森に氷、炎が二人……やはり、再生メンバーです。
「あの、水晶さん?」
「どうしたの?ロラちゃん。」
「肉あんまり食べてないよどうしたの?」
「…………私は鶏肉はちょっと……」
「「水晶様/マスター〜豚肉ですよ〜」」
「ユリアちゃんにエイルちゃん、それ生よ!!生はダメ!!」
「「はーい。」」
私は、水晶さんがあんまり食べて無いのをみて心配して話しかけてみました。彼女ははぐらかしながら私に答え、疑似精霊達に豚の生肉を渡されかけていました。
「…………」
「ロラ…………貴女リンク君に恋してるでしょ………」
「えっ?……」
「貴女の態度みたら分かるわよ」
「………………そうかもしれない。」
「リンク君には水晶さんいるからやめたほうが良いわ。ロラには可哀想だけど……」
いつしか私はリンク君の方を見つめていました。それにいち早く気付いたレオ姉さん。一瞬、周りが凍りつきました。何故なら、阿毘さんと水晶さんでいつもリンク君の取り合いをしているから。
「…………私どうしよう……争いごと嫌いだから……引き下がるしかないよね………」
「ロラ、今すぐじゃなくてもがんばっていれば振り向いてくれる人は居るはずよ。あきらめないで…………」
しかし、水晶さんは私を攻撃しては来ません。また寂しそうな表情になった私。そんな私に優しく言うお姉ちゃん。でも。いつもお姉ちゃん達以外私は一人。…………寂しい。
ちなみに、学園の生徒で恋仲なのは王騎様と摎さん。リンク君と水晶さん。ジーニアス君とプレセアさん。ロイド君とコレットさん。しいなさんとゼロス…アッシュ君とナタリアさん。ルーク君とティアさんの七組です
「………うん(モグもぐ)ロラちゃんの(もぐもぐ)気持ち(もぐもぐ)わかる………あいた!!!!!!」
「飛龍!!!口に物を入れながら喋るのはやめなさい!!はしたない!!」
「……いいじゃ……」
「良くない!!!」
バーベキューを頬張りながら話す飛龍。即刻で蒼龍様に厳重注意をしていました。
彼女に同情されても……余計に辛いよ……
「………まぁ、ロラはおっとりしてるからねぇ………」
「誰ですか?秋刀魚を持ってきた人は………燃えてますよぉ?。」
「私の秋刀魚〜!!」
「ラズライト、ひっくり返さないと………」
王騎様が網の上で燃えている物体に気づき、言います。慌てるラズライトちゃん。彼女だったんですか………
ちなみに、私はさっきの一件で食欲ががくっと落ちてしまいました。
―――――食が進まないよ………
―――――ロラ……寂しい気持ちはわかりますよ。最初はみんなそうですよ。それを乗り越えた時、貴方は成長します。頑張りなさい。
ショックからあんまり取らなくなった私をみて蒼龍様はそう呟いていました。
「エビや海鮮も焼きますか?」
「そうね。そうしましょう。」
「誰?河豚をまるまる持ってきた人は!!これはまじヤバいから即刻撤去するわよ!!」
隆国軍長が言うと水晶さんが反応しました。龍乱さんが海鮮の発泡スチロールを見て鳥肌がたち、危ない河豚を撤去しました。たべたら即病院送り。スケベ三大天に食わしたい。
―――――また私、一人ぼっちなんだ………クリスマスとかほんとに寂しい……レオお姉ちゃんは恋人いるみたいだし……
「ロラ、焼きホタテよ。いつまでも悲しんでないで食べなさい。」
「お姉ちゃん………」
その頃、私は寂しさ故に涙を少し溢していました。友達はいるものの、ほとんどが同性です。あるいは居ても彼女持ち。私には強奪する度胸も力もない……。
そっと、私にホタテを持ってきてくれたのはモルお姉ちゃんです。
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