テイルズ学園
危険なお菓子作り
モルお姉ちゃんが買いに行っている間、アーチェさん宅ではなにやら女性陣だけで企み……いえ、話し合いをしていました。メンバーはアーチェさん、ショコラさん、ナタリアさん、水晶将軍、摎将軍、飛龍ちゃん、シフちゃん、エイルちゃんの八人。
「はぁ。」
「??」
「で、私たちを集めてなんの用かしら?」
「シフに何か用ですか?」
「じゃじゃーん、この前、お菓子作りの本見てたらさ、思いついちゃってさ。それぞれの彼氏………例えば、水晶様ならリンク君に何かクッキーとかを作ってあげたら喜ぶんじゃないかなぁと思って」
「素敵ですわ!」
「やれやれ………」
―――――アッシュさん、きっと喜びますわ!
―――――ああ………またなんか起こるわね………
「お菓子作りか………」
摎将軍が言うとシフちゃんはアップルジュースを飲みながら聞きます。糖分大丈夫か?そして、アーチェさんが叫ぶ。これを聞いてナタリアさんは喜んでいましたが、水晶将軍や摎将軍、ショコラさんはため息をついていました。なんせ、アーチェさん、ナタリアさん、飛龍ちゃんが居る時点で方向が間違っている。これでは彼氏が可哀想だ。
そう言えばシフちゃんは自分の事を“シフ”って呼ぶね。“私”って言いづらいのかなぁ。まぁ、彼女は幼いからなぁ。
「「「「私/シフたち彼氏居ません………」」」」
「エイルちゃん、シフちゃん、リンク君に作ってあげたらどうです?」
「水晶様が何も言わなければ……………………」
「シフ、ロラちゃんに作ります。」
「私は構わないわよ。」
「「はい」」
「じゃあ、私はお姉ちゃんに作るかな。」
エイルちゃん達が寂しそうに言うとナタリアさんが言う。彼女達は水晶将軍に聞くと彼女は構わないとのこと。シフちゃんだけは私に作ろうと考えていました。ショコラさんはリースさんに作ろうと考えて居るようです。
「………構わないけど、ケーキとかは止めておきましょう。時間がかかりすぎます。」
「そうですわね。」
「私、ドングリクッキーにします〜私の得意スイーツですぅ〜」
「私は餡蜜と大福かな。」
「私は辛いクッキーを………」
「待って待って待って!!それはダメよ!!少なくとも食べれる物じゃないと………」
「シフはアップルパイです」
水晶将軍はひきつりながらも言います。それに同調したナタリアさん。エイルちゃんはクッキーだそうです。アーチェさんは辛いクッキー………ん?そして、即刻摎将軍に却下を食らっていました。シフちゃんはアップルパイだそうです。リンゴ好きなんだね。
そして、それぞれのレシピを受け取り各自作り始めます。さすがは水晶将軍、ショコラさんです。包丁さばきは見事です。なぜかシフちゃんはアビシオンを切り刻んだ小剣を使っていました。カップケーキを作って居るのはアーチェさん。不安がよぎります。それぞれがお菓子作りの作業をしながら…………
嫌な予感がするのは気のせいかな。
「これも入れようっと………」
「入れちゃえ。」
そう言って入れだしたのは何かの粉です。飛龍ちゃんも謎の物体を入れています。そして、オーブンを熱し、先に入れたのは飛龍ちゃん。スイッチを入れます。
そのとき、たまたま通りかかった司馬驤且もとい、スケベ四大魔王。匂いに釣られやってきました。
「ん?良い匂いが………」
『ズガアァァァァァァン!!』
「なっなんだ!!ぐわぁぁぁぁぁ!!」
突如大爆発。爆炎が司馬驤且を襲い、彼は六階から焼かれながら落下。哀れとしか言いようがありませんでした。
「なんで爆発するのよ!!」
「大変!クッキーがムジュラの仮面になってる!!」
「いやいや、おかしい!!」
「シフ、びっくりしました〜」
「ちょっと待って!!何でクッキーの材料でムジュラの仮面が出来るのよ。理解不能よ!!」
「なんでそんな物が?」
「おかしいでしょ!!」
彼女達は爆炎を防御技でしのぎ(シフちゃん以外。彼女は炎の擬似精霊だから)ました。摎将軍が叫びます。そして、飛龍ちゃんがオーブンを見るとクッキーの生地がムジュラの仮面に変化していました。有り得ない。摎将軍が再び叫ぶ。そして、飛龍ちゃんからムジュラの仮面を取り上げ、ゴミ箱に突っ込む。なにやら不気味な声が聞こえるのは気のせいでしょう。シフちゃんは爆炎に驚いたようでした。そして、水晶将軍も叫ぶ。ショコラさんと摎将軍が言いました。確かに彼女達の言うとおりです。
「何を入れたのよ。」
「これよこれ。」
「マンドラゴラの根?!お前は錬金術師!!クッキーにそんなもの入れるな!!」
「いや、それくらいで仮面になるかしら?」
「普通は入れないわよ」
ショコラさんが聞くと飛龍ちゃんは瓶を見せます。それはマンドラゴラの根の粉末……錬金術師が錬金術につかうあれです。摎将軍がまた叫ぶと水晶将軍が言いました。そして、再びショコラさんが言います。
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