テイルズ学園
嵐を呼ぶ学級委員(3)
「ん、決まったか。ふむ。」
「しかし、アビシオンが学級委員やらなくて良かったな……」
「当たり前よ。あんなのがなったらやかましくて仕方ないわよ。」
「おい、水晶」
「何かしら?」
「今日、午後から生徒会執行部の打ち合わせがあるから…………」
「了解。いつもの教室でしょ?」
「ああ。」
欠伸をしながら起きたクラース先生。傍らで風の精霊シルフが決まった役員を書いて居ました。そして、水の精霊、ウンディーネがなぜか役員バッチを私たちに渡していました。ウンディーネは深いスリットの入り下着が見えそうななかなかいやらしい男受けの良さそうな服を着ていました。
ちょうどその頃はアッシュ君が水晶さんに話しかけていました。二人とジーニアス君は執行部の人々で全役員の中でも最高位に当たります。ちなみにアッシュ君が生徒会会長で水晶さんが副会長、ジーニアス君は執行部を初めとした部費などの会計・予算を統括しています。
―――――なんか、恥ずかしい衣装だね。でもなんかイヤそう
私はそう考えていました。なぜなら彼女はと言うと
「なぜなら、妾がこんな事をやらねばならんのじゃ…………」
などと一人事を言っていたからです。ちょうどその時、
『キーンコーンカーンコーン』
チャイムがなり、三時限目が終了しました。今は掃除中です。
『ドカン!!!!』
「なぜ私はいつも何もやらせてもらえんのだ!!!!目立たぬロラですらもらってるのだぞ!!!!」
「ひどい…………私だってやりたくてなったんじゃないのに………」
「アビシオン、あんた最低だよ!!!ロラちゃんだって本当はやりたなくなかったのよ!!!泣いちゃったじゃないか謝りな!!!」
「甘いわ!!」
いきなり私の机に拳を叩きつけてきて叫んでいるのはアビシオン。私はおびえてしまいます。そしてなれなかった腹いせを私にぶつけてきました。恐怖のあまり泣く私。しいなさんがアビシオンに怒鳴る。回りの女子生徒達はそんな彼を白い冷たい目でみていました。
「いい加減にしろ!!バカシオン!!!!なれないのはあんたの日頃の行いよ!!私だってなりたかったけどね。今考えたら、学級委員って言うのはクラスの顔になるんだよ。そんなになりたかったら工事現場や戦場行ってこい!!!!」
「なんだと!?私に逆らうつもりか?」
「あんたはクラスの女の子全員を敵に回したのよ?勘違いするな!!!誰が貴様の下僕だ!!」
「ほら、ロラ泣き止みな。」
「ロラちゃん、泣いちゃだめだよ。」
「今はなんとかして彼女を落ち着かせるのが専決だな。とはいえ、ここまで傷ついた彼女を落ち着かせるのも大変だ」
「ロラ、顔洗ってきなさい。くしゃくしゃよ。」
アビシオンに凄まじい剣幕で言っているのは阿毘姫さん。これにはアビシオンも押され気味。この間、私は泣きっぱなし。しいなさんやコレットさん、フェニアさん、お姉ちゃん達が私をなぐさめ、泣きやまそうとしています。
「アーチェさん、お願いが………」
「ほえ?」
なにやらアーチェさんと阿毘姫さんが話をしています。かなり不気味です。
「いけない!!!!シャイン・アクアシールド!!!」
「エクスプロード」
「双撞掌底破!!!」
「受けてみよ!双撞爆炎破!」
「ぐぉ」
『ドッガァァァァン!!!!』
「わわわ!!!」
「な、なんだ!!!」
「きゃぁ!!!」
嫌な予感が働いた水晶さん。とっさに全体防御魔法を放ち、私たちを守ります。直後、アーチェさんの魔術と阿毘姫さんの技がユニゾンし、爆炎を伴った掌底破がアビシオンを襲いました。これを受けた彼は教室の隔壁を破壊、突破して二組に突入。雲龍さん達や飛龍さんをかすめ教卓に激突。大破着底します。大騒ぎの二組。一組の生徒の大半は私を慰めるのに必死です。
「これ、直すのにいくらかかるかなぁ。」
「修理費はアビシオン、アーチェさん、阿毘姫さんに出してもらおうかしら。間違ってもロラちゃんに請求しないように。」
「当たり前だ。被害者の一人に請求してどうする。」
「わかってるよ。」
この惨状をみて生徒会執行部三大天はお互いを見てため息をついていました。しなかも、負傷者の大半が二組に集中していました。
「アーチェ!!いくらアビシオンがろくでなしだろうとやり過ぎだろうが!!!」
「何ですって?!」
チェスターがアーチェに喰ってかかったが直後、ファイアストームを食らってノックアウトしていました。
「おい!!なんの騒ぎ………」
ちなみに、今起きたのはカイルです。寝過ぎです。倒れたアビシオンを一組に連れ戻して 双撞掌底破を叩き込む阿毘姫さん。これではどっちが悪なのか、わかったものではありません。私も顔を洗ってなんとか落ち着きを取り戻しました。
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