テイルズ学園
変わった転校生(2)
このハイリア王立学園の授業開始は午前九時半。ちなみに、終了は午後四時半(人によっては午後六時くらいまで)ちなみに、今は午前九時四十分。一限目開始前の二十分はクラース先生によるHR。
「初めまして……その、私はラダトーム王国から来ました。その………私は……“リース・フォン・フローラ”と言います………」
―――――あれ?あの子は昨日の…………
―――――緊張してるわね。
―――――でひゃひゃひゃ可愛いーぜ。
「あの、よろしくお願いします………」
「お前ら仲良くするように。」
「はい。」
クラース先生からリースさんの説明がありました。私達を初めとして一部は知ってますが………
「もう二人…………」
「飛天翔駆!!」
『ドッカーン!!』
「きゃっ!!」
「「「おはようございます!!あれ?」」」
「ぐはっ!!」
「ちょ!!先生!!!」
「と、殿ぉぉ!!」
クラース先生がそう言って呼ぼうとした時、例の遅刻常習犯のロイド、クレス、カイルがやって来ました。
―――――あ〜あ。また弁償よね………
ちなみに、ドアをクラース先生ごと吹っ飛ばしたのはロイドその人です。
私達や一部の生徒は先生の名を叫びます。誰?殿なんて言ってるのは………その頃、隣のクラスではその声を聞いて……
「また、馬鹿共が遅刻してドアを吹っ飛ばしたな……」
「嫌ですわ……」
「懲りないのかしら……」
「はうわぁ………」
等と呟いていました。
「クレス!!カイル!!ロイド!!またお前たちか!!!始業式にはちゃんと来たと思ったが即刻でこれか!!!」
「「「すみません!!!」」」
「……もういい!!席に付け。」
「なんか、今日の先生は優しいな……」
「ロイド馬鹿?転校生の紹介をしてるからだよ………」
「通りで見たことない子が居ると思ったよ。」
平謝りの三人。反省の色はない。珍しい事なのでロイドはキョトンとしています。
「で、もう二人だが……」
「でひゃひゃ……もう一人も可愛いー女の子かい?」
―――――ゼロス……後でしいなにやられるわよ……
「フェニアさんとクロード君だ。」
「私はフェニア・レインフォード。竜人の一族。でホロドラムの竜人族の姫。王国継ぐには勉強不足だったからね。それと……私は神龍族とは違うわよ。念のために。良く混同する人がいるから………。」
―――――なんか女の子多いわね。まぁいっか。
「僕はクロード・C・ケニー。エクスペル地方の出身。階級は小尉。ちなみに、剣と譜銃使いだよ。」
「野郎はどうでもいいや………」
「「よろしく。」」
「ゼロス!!!聞く態度がそれか?シルフ!!!」
「ぐわぁぁぁ!!!」
―――――またやられてる……懲りないの?
クロード君の話の間、ふんぞり返っていたゼロス。しかし、彼はこの後でクラース先生から『シルフ』の召喚術をうけていました。
そして、三人の席が決まりました。私の隣はリースちゃん。クロード君の隣はジーニアス君。フェニアさんの隣は摎さんとなりました。
「昨日の…方ですね。あの、よろしくお願いします。」
「リースちゃんでいいかな。よろしくね。」
「よろしくな。」
「困ったことあったら僕に聞いてね。ボソッ……ロイドには聞かないように……」
「よろしく頼むわね。」
「私は六将、摎。貴女も相当の実力者みたいね。とりあえずよろしくお願いします。」
隣同士挨拶を交わす私達。摎さんだけは実力を見抜いたようです。ジーニアス君の場合は『ロイドには聞かないように』と本人に聞こえないように言っていました
そして……一限目は教科書配布のはずなんだけど……。いきなりリフィル先生です。今日は授業と言うより一限目の先生による教科書配布となります。(剣術と武術以外。)
「起立!!着席!!……あっ間違えた」
『どんがらがっしゃーん!!!』
カイルの頓珍漢な号令で皆転けました。
「カイルもういいわ……アビシオンお願い」
「見切れると思うな!!ん?号令か!?起立礼着席。」
『ゴン』
今度は全員机に頭をぶつけました。早すぎるよ〜私はついていけない状態でした。
「お仕置きよ……ホーリーランス!!!!」
「ぐわっ!!バカな!!この世に………これ以上の力があるとは………」
「レオ、やり直してちょうだい!!」
「はい。起立!!礼!!着席。」
ふざけた、アビシオン。ちなみに『起立、礼、着席』の間は一秒とありません。キレたリフィル先生がアビシオンを戦闘不能に追い落とし、レオお姉ちゃんに仕切り直しをさせていました。
「ふぅ……やっぱし重いな……」
「ロイドやシフォンさん、ディーネさんは良いよね………」
「「「何が?」」」
「だって自分で運ばなくても乗り物あるし………」
「………いや、ロラだって“フェアリーモスラ”呼べるじゃないか。同じだと思うけど?」
「あっ………でも………フェアリーモスラは……一人分運ぶのがやっとだよ。レインボーモスラ呼んだら別だけど………流石に……ねぇ…………」
ロイドが教科書を運ぶのに重いと言います。確かに重い。なんせ全教科書が配られるのだから。しかし、この量を片手で持ち上げてきたリフィル先生ってすごいよね……………そんな中、私はロイド達がうらやましいと言うとそう言ってきました。
ちなみに、ロイドは忘れていたのです。フェアリーモスラを呼べるのは私とお姉ちゃん達の三人居ることを……つまりは運べるのは一人分だということです。
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