テイルズ学園
それぞれの休日
「ふぅ……女心という物を知りなさい!!」
「せんせー、なんで居るんだ?」
「私がいる理由?それはね……クラース先生やミラルド先生と飲む為よ。」
「………………」
倒れた司馬穣且に向かって言うリグレイツ先生。流石は水晶さんの一族だけあります。ロイド君が不思議そうに聞くと、彼女はそう答えました。
「ロラちゃん、もう大丈夫かい?」
「はい………なんとか……」
「へぇ〜司馬穣且って見かけによらず大金持ってるわね………」
「ちょ、ちょっと……飛龍…それはまずいわよ!!やめなさい!!」
「でも……穣且ってたしか……この前、町の人からカツアゲしようとして殴られ、帰りに風の疑似精霊をナンパしてたよ……」
私としいなさんと話しているあいだ、二年二組の飛龍さん、同じクラスの雲龍さん、二年一組のミトス君が話していました。
「せんせー!!カツアゲってなんだ?食えるのか?」
「………食べられないわよ………。」
「カツアゲ……弱い立場の人からお金等を暴力で奪う最低な人のこと…………」
「ンフフフ………まさか穣且がそんな事をやっているとは……我々六大将軍として許しがたいことですねぇ、摎。」
「はい。王騎様。」
「当たり前よ。」
そして、ロイド君はリフィル先生に聞きます。呆れた様子のリフィル先生に変わって、プレセアちゃんが答えました。穣且最低………。そして、独特な喋り方の王騎将軍と摎さん、龍乱さんがボソボソと隅で会話していました。
「「「「穣且、後で私が料理を振る舞って上げるわ/ますわ/わね。」」」」
「これはどうも。いや〜楽しみにしてるぜ!!!」
そう言われて嬉しそうな彼。ちなみにそれを言ったのはリフィル先生にアーチェさん、二組のナタリア王女様、飛龍さん。これには回りの生徒全員がひきつった表情でそそくさと退散する始末です。
「ロラ、逃げるわよ。」
「はい。」
「ンフフフ……これは強烈ですねぇ……退却しましょう摎。」
「は、はい。」
「雲龍、退くわよ。」
しばらくしてその場には彼ら五人しかいませんでした。地獄を見るね………絶対……
「地獄どころじゃないと思うよ………」
その数時間後…………
「ぎ、ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
寮全体に司馬穣且の悲鳴が響きました。ご愁傷様です。
そして………
「今日一日いろいろあったわね………」
「そうねぇ……ロラ!?」
「すぅー。すぅー…すぅー」
レオとモルが話していてロラに話題を振った時、既に彼女は寝ていました。
「寝ちゃったわ。」
「無理も無いわよ。一番疲れてるのこの娘だしね。おやすみロラ。」
二人もロラに次いでベッドに入り、眠りにつきました。一部の先生達とごく一部の生徒以外……
翌朝。
「朝刊!!」
「朝ね………」
自転車の音と共に、レオが目を覚まし、新聞を受け取ります。
現在、午前四時。ご飯を炊く準備をするため彼女は早起きなのです。ちなみに、救いの町の水晶も早起きです。
「全てを砕け!!!」
「「うるさい!!何時だと思ってんだ!!!!」」
『ドカドカ!!』
「ぐはっ!!!」
アビシオンの声にキレた周辺住民が色んな物を投げます。あっ、パイプイスが命中しました。もうだめかもしれませんね。
「今日は休みね。どうせ私は家事するけど………」
そして、午前七時。私達の起床です。ロイド君以外。
「「おはよう。」」
「おはよう。二人共、顔を洗ってきなさい。」
「「はーい」」
私達が起きて来ると朝食です。この後はみんなそれぞれの時間を過ごすことになります。バイトに行く者、ゲームなどをして遊びほうける者。生き物の世話をする者………人それぞれです。
例えば、水晶さん達は庭仕事(リグレイツ先生は二日酔い。)クレス、チェスターさんは狩り(食事は各自、自炊のため)に……摎さんは買い物……等。
「私は何しよっかなぁ………」
「私は予習………」
「でも教科書まだ届いてないよ。」
「…………そうだったわね……じゃあ、家事に追われてるわ。」
私が暇そうにペットの熱帯魚を見ながら言うと、レオ姉さんがそう答えました。しかし、モル姉さんが突っ込み、訂正しました。
「水槽の掃除しよっかなぁ。それとも……新しい魚入れようかなぁ。」
私は水槽を眺めながらつぶやきます。水槽サイズは60cm魚はピースフルベタ五匹にチョコレートグーラミィ三匹、フィルターは外部(かなりマニアック)。水槽に大して魚が少なすぎて寂しい。
「いいんじゃない?」
「そうね。ゲームするより生き物の世話のほうが健康的よ。」
ちなみに、レオ姉さんが許可している理由は癒されるからです。
なお、この学生寮はあらゆるペット可(猛獣、ワニの類いは不可)です。
他の生徒達はというと………
「全てを砕けぇい!!!!」
アビシオンは道路工事……アーチェ達はカラオケに……。
「朝早すぎ!!!何時から歌うつもりだよ」
「ローイードー!!!」
「んあっ!?コレットか?」
遅刻大魔王ロイドはコレットに叩き起こされていました。何時まで寝るきだ………。
私はとりあえず、暇なので街を歩く事にしました。いつもの服装(ショートパンツ)で………
「お昼には戻って来なさいね。食べて来る時は必ず携帯に連絡してね。」
「わかったわ。お姉ちゃん。」
―――――暇だなぁ……
そんな風に街中を歩く私。今現在午前九時。まだ、街には活気はありません。休日だからかもしれませんが…………。
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