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プロローグ
「我が脳髄の空腹をこの世界は満たしてはくれなかった。地上(うえ)だ、地上に求めよう」
「最も複雑で」
「最も深遠で」
「そして最も美味な」
「究極の謎を」
━━━━━同時刻
ある一室で一人の少女が生気のない瞳で天井を見上げていた。
片手には燃え尽きそうな煙草を
もう一方には────血を滴らせるナイフを持って
『……親父……』
ポツリ、と少女は呟く
僅かにその顔を、瞳を怒りに悲しみに染めながら
噛み締めるかのように、
何度も
何度も
自らの父親の名前を呼びながら
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