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改めてこんにちは


あの後すぐに寝てしまった俺は、すぐに目を覚ました



が、目の前には大きな目玉がひとつある男がいた



『あうっ!?』



びびび、びっくりしたぁ!
よりにもよってなんでお前なんだよ一つ目!
声が出ちまったじゃねぇか!!


一つ目も突然目を覚ました俺にびっくりしたようで、固まっていた
でも、すぐに意識を戻して恐る恐る手を差し伸べてきた

だから、握手の意味で一つ目の人差し指を握って軽く上下に振りつつ笑った

「り…鯉吹様……なんと可愛らしい方だ!」

うっわぁ、こんな緩んだ顔の一つ目初めて
今までヤな奴と思ってたが、そうでもなさそうだ
なんだか俺も嬉しくなって一緒に笑って
あーあー言ってたら、
スパン、と障子が開く音がした


「二代目!」

一つ目が声を出したおかげで、開けたのが
鯉伴であることがわかった

「よぉ、一つ目。可愛い息子は起きてるかい?」

一つ目に喋りかけつつひょいと俺に顔を見せてきた鯉伴は、やっぱりイケメンだった

でも、同時に鯉伴が僅かに目を悲しげに揺らせたのも気になった


そんなことを感じさせないように、鯉伴は俺を抱き上げると、ニヤリと不敵に笑った


「おはようさん、鯉吹。お前のお父さんだぜ


そう言って頭を優しく撫でてくれる鯉伴が何故だかとても愛おしく感じた


『あーっ!きゃーっ!』
「おぉ、なんだい?嬉しいのか?」
『あーうー』
「ハハハっ、そうかそうか」


鯉伴…親父は楽しそうにじゃれてきた
結局俺も嬉しすぎてきゃーっ!とか言ってるが

あ、そう言えばリクオは?
俺の愛しの兄貴様はどこだ?

急にキョロキョロしだした俺に不審を覚えた親父が、疑問を感じながらもどうしたと聞いてきた

といっても生まれたばかりの子供が喋れるハズもなく、ただひたすらに周りを見ていると
俺が寝ていた隣の布団に、もう一人赤ん坊が寝ているのが見えた


『あーっ!』

いたーっ!
思わずリクオに向かって手を伸ばしながら叫んだら、親父が笑いながらリクオの傍に来てくれた


「ククク…鯉吹、お前の兄だ。なんだ、気付いてたのか?リクオはいい弟をもったなぁ」


未だに寝ているリクオを見つつ、親父はしみじみといった調子で喋った



『ふぁ……』
「ん?眠いのか?」


はい、とっても眠いです
一旦眠いと自覚したらとことん眠くなってきて、だんだん目の前が暗くなってきた


「お休み、鯉吹」









ーーこんにちは、親父さま


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あきゅろす。
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