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肆の風
「アハハ、お兄さん強いね。本当に人間?」
『あァ、歴とした人間サマさ』
至極軽々しく話している二人は普通の者には
到底、いや例え生粋の殺し屋だとしても、酷い戦争や闘いをしてきた猛者であろうとも、
同族の夜兎であろうとも思わず目を背けたくなる、嫌悪感と恐怖感が混ぜこめになって
襲ってくるような、
とてもじゃないが表現しきれそうにない
そんな禍々しい殺気を
溢れんばかりに撒き散らしていた
ーーーだが、
二人はそんなお互いの殺気をものともせずに
殴り、蹴り、叩き、抉り、切り、焼き、刺し
砕き、捲り、折り、剥し、破り、ーーー
壊して毀して請わしてこわしてコワシテ
破壊に闘いに殺し合いに勤しんでいた
「楽しいなあ、こんなに闘ったのは久しぶりだヨ。もっともっとやってたい」
『奇遇だなァ、俺もお前さんみてェな奴とはまだまだ殺り合いてェ。だが、今捕まるわけにはいかねェな』
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