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参の風





















































ーー楽しい





樂しい愉しい快しいたのしいタノシイーー












こんなに心が沸き立つのは久しぶり、いや
初めてかもしれない


あァ、なんてたのしいんだ

同胞がいるのはこんなにも嬉しいものなのか



血が滾る、血が荒ぶる、血が求める、血が震える、血が焼ける、血が、血がーーー



慟哭を撒き散らす













「オイオイ……どうしろってんだすっとこどい」
「あの男、夜兎か……?」
「さあなぁ…にしても、あの二人そっくりだな」




完全に開ききった瞳孔
空や海を切り分けたかのような澄んだ蒼い眼いびつに歪み笑う口元
ギラギラと溢れんばかりの闘気と殺気
病的なまでに白い肌




何よりも似通っているのは、

恐れ畏れ怖れ慴れ

時に神秘的で、時に恐怖で、時に羨望で、
時に魅力的で、時に畏怖で、時に輝きで、
時に、時に、時に、

様々な想いが募り、溢れる

何物にも形容し難く、また何物にもなれない

沢山の感情が、例え真反対であれ同系であれ同じであれ交わらないことであれ、

全て“それ"の前には屈伏せずにはいられない


どんなモノでも感情でも人でも天人でも
決して逆らえことができない


















それほどまでに絶対的な



























強さ










「あの二人は本質がそっくりなのさ」
「本質?」
「闘うことや殺すことで自分の存在意義を見出し、自分の存在意義を確認してんのさ」


自分より強い奴と闘いたい
自分より強い奴と殺りあいたい


「相手に勝つことで、相手を殺すことで自分に存在する価値があることを確認してんだ」


元からそういう目的で動いていたのか、
はたまた血がそうさせたのか


「それは本人にしか分からんが、案外両方なのかもしれないねえ」
「…そうか、ところで阿伏兎」
「なんだ?」
「あれはいつ終わるんだ」
「………」



二人の眼下で行われているお遊びという名の
殺し合い

既に建物が半壊している。このままいけば吉原が全壊どころか復興すらままならなくなる

そんなことになれば、鳳仙の旦那や春雨に殺される。いや、下手したら地球の奴らにも追われるハメになるかもしれない

それは是非とも阻止しなければならない

「ハァ…仕方ねえなあ、云業手伝え」
「了解」


あんまりやる気は起きねえが、仕方ねえなあ
と、愚痴を吐きながら二人は未だに戦闘を続ける戦闘狂二人を止めにいった






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あきゅろす。
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