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1時間目
『…なんでっスか?』

「平和島、諦めろ」

『なんで俺がこんなクラスにはいらなきゃなんねーんだよ…?あぁ?』

「平和島、口調が乱れているぞ」

『おっと失礼…で?なんで俺がF組でしかも
《観察処分者》なんスか!?』

そう、俺改め平和島静幽は自分でいうのもなんだが頭がめちゃくちゃいい
ぶっちゃけ今の学年主席は相手になんねえくらいには
なのに、なぜ学園最下層のF組でバカの代名詞である観察処分者にならなきゃいけねえ

『つーわけで、Fe先生説明を』

「本物の鉄にするな!」

いたい、なんで拳骨?
か弱い乙女の頭を殴るなんざ教師の風上にも
おけやしねぇ、別にか弱くもないが

『まぁまぁ、はよ教えろや
じゃなくて、教えてくださいっス先生』

「……お前、本当に分からないのか?」

『?だからこうして聞いてんじゃないっスか』

「振り分けテストの時に自分が何をしたか言ってみろ」

『ふつーに試験受けた後に隣の男をボコしました』

「普通に考えてそれが理由だ、馬鹿者め!」

『アレはアイツが悪いんスよ!
隣でブツブツなんか言ってるし挙句に貧乏ゆすりするわ指とかペンとかコツコツコツコツ…強いて言えばアイツを俺の隣にした先生方が全面的に悪い』

「苛立つのは分かるが、なぜ我慢ができん
お前は自分の力がどれほどあるか理解できているのか!?
なぜ机1つ投げたくらいで壁が全壊するんだ!?なぜ6人がけのテーブルを持ち上げて投げられるんだ!?」

『俺だから』

「馬鹿者めがぁぁ!!」

『いってぇぇ!!』

寸分たがわず同じところに拳骨落としてきやがった!
だってしょうがねぇだろ!
力が強いのは俺のせいじゃねえ、絶対に

「しかもお前は一年の時も同じことをやったからな、もうお咎め無しとはいかん」

『…だから観察処分者っスか』

「そうだ、全ては自分の行いが招いたことだと忘れるなよ」

『…はぁ〜、了解っス せいぜい痛い目見ないように一年努力しますよ』

「ならいい、さっさと教室に行ってこい」

『ッス』






























ガラッーー


『ウ〜ス、おはよーさん』

「?静幽じゃないか、お前もこっちなのか」

挨拶をして一番初めに話しかけてきてくれたのは坂本雄次だった
どこにでもいそうな不良っぽい奴だ

『あぁ、また教室ぶっ壊した』

「またやったのかの?静幽も懲りないのう」

次に話しかけてきたのは木下秀吉
可愛い子だ、愛らしい顔をしているが秀吉は歴とした男である
ただ、ほかの奴らが認めないだけだ

「また黒板ぶっ壊したのか?それとも扉か」

『いや、教室半壊させてきた』

秀吉と雄二から表情が抜け落ちた
どうした、その化物でも見るような顔は

「…半壊……?」

『ああ』

「静幽…なぜじゃ…どうしたら教室が半壊になどなるのかのぅ…」

秀吉はもう諦めたように項垂れていた
アレは決して俺が悪いわけじゃない
隣に座ったあの男が悪い、強いて言えばアイツを俺の隣にした先生が悪い

アレ、さっきもこのやりとりしたな
まぁいいか

「ホントに…お前はよくやるなぁ…」

雄二は雄二で俺の頭をガシガシ撫でまわしてきた
俺はガキじゃねえっつってんのに
学習しねえ野郎だな


まぁ、多少心地いいとは思ってたりするが

『それよりよ、なんで雄二は教卓の前に立ってんだ?お前が教師なわけねぇだろ?』

「ああ、それはだなーー「すいません、ちょっと遅れちゃいましたっ♪」早く座れ、このウジ虫野郎」

ナイスツッコミだ、雄二
妙にキャピキャピした明久にはこれくらいの罵倒がちょうどいいだろう

いま扉から入ってきたのは吉井明久
恐らく、いや絶対にこの文月学園で一番のーーー馬鹿だ

「雄二、何やってんの?」

「先生が遅れているらしいから、代わりに教壇に上がってみた」

成程、そういう理由か 納得だ

「先生の代わりって、雄二が?なんで?」

「一応このクラスの最高成績者だからな」

昔は神童と呼ばれていただけあるな
まぁ、今となっちゃただの馬鹿だが

「え?それじゃ、雄二がこのクラスの代表なの?」

「そうだ」

ニヤリと口の端を上げる雄二
神童より悪童が似合うぞ、ボケ
まぁたなんかくだらねぇ事考えてやがんだろ

「これでこのクラスの全員が俺の兵隊だな」

ほらみろ、ロクなこと言いやしねえ



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あきゅろす。
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