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目指せ球界の星!プロ野球☆スター街道
☆第5話―秘められた力―
なんと、先ほど倒したはずの強盗のリーダーが立ち上がり、六道さんを人質にとってしまう。
しかも銃を構えており、いつでも六道さんを殺せる状態だ。


六道「き、貴様・・騙したのか!?」

強盗「ケッ、てめぇのような非力な女の拳なんか痛くも痒くも無いんだよ!」

六道「くっ・・・・は、離せ!」

強盗「てめぇは大事な人質だ。それに後から俺様が直々に料理してやるぜ・・・・!」

小波「六道さん!」

六道「小波、私に構うな!逃げろ!」

小波「そ、そんな!」

強盗「そこの弱そうな野球少年よ、何かしたら大事なお姉さんが死んじまうよ?」

六道「小波!いいから逃げろ!早く!」

小波「で、でも・・・・!」

弱気な性格のため、このような状況に慣れていない小波くん。
例え喧嘩に挑んだとしても負ける・・・・それに六道さんが人質にとられているため、被害にあわされる可能性も高い。今すぐに逃げたい・・・・!内心そう思う小波くん。


小波「(六道さんを置いて逃げろなんて・・・・僕には出来ないよ・・・・!)」

六道「何をしている小波!」

強盗「ケケケ・・・・いい気味だぜ・・・・あーはっははー!」

小波「(ど、どうしたら・・・・、ん?)」


考えていたとき、偶然にもポケットに手を当てた小波くん。しかし何かが入っている・・・・おじいちゃんのボールだ。


小波「(おじいちゃん・・・・。ごめん!)」

六道「小波!」

小波「六道さんを・・・・六道さんを離せぇ!!!!!!」

シュッ

強盗「!?」

六道「な!?」


もの凄いスピードのボールが強盗目掛けて走っていく。ボールの縫い目が見えないほどの凄まじい速さだ。


六道「こ、この球は!?」

ドゴッ


ボールは六道さんをかすりもせず、強盗の目にストライクボールで入った。


強盗「目が・・・・目がぁ・・・・!!!」

小波「あとは警察に任せて逃げよう、六道さん!」

タタタッ


六道さんの手を掴んで店から駆け出す小波くん。

小波「六道さん、大丈夫だった?」

六道「小波・・・・お前・・・・一体何を投げた?」

小波「え?何が?」

六道「な!?(じ、自覚していないのか!?)」

小波くんが強盗に投げたボール。もの凄い速さだったが、六道さんには回転まで全てが見切れていた。


六道「(スピードは150後半。そしてあのノビ・・・・回転・・・・間違いない、あれはジャイロボール!)」

小波「それにしても六道さんとの食事が台無しになって残念だなぁ・・・・。」


だが、何を投げたのか全く自覚をしていない小波くん。


六道「(コイツ・・・・もしかすると・・・・。)」

小波「六道さん、今度は僕もきんつばを・・・・。」

六道「おい。」

小波「は、はい!何ですか?」

六道「年が明けたら・・・・私と自主トレをしないか?」

小波「えぇ!?ぼ、僕と!?い、いいの!?」

六道「うむ。それに助けてもらった借りがあるからな。」

小波「ややや、やったぁ!!!!」

六道「あと、同い年なんだから六道さんって言い方を変えてくれ。」

小波「な、なら・・・・聖ちゃん・・・・でいい?」

六道「あ、ああ・・・・・///」

小波「それじゃあ自主トレよろしくお願いします!聖ちゃん!」


その後、次の日の新聞に『プロ野球選手、強盗を捕まえる!』という記事が載り、もちろん球団事務所に感謝状が届いた。

これは・・・・小波くんのスターへの一歩なのかもしれない。

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