目指せ球界の星!プロ野球☆スター街道
☆第3話―思い出のボール―
六道「よし、なら私のオススメの店に連れて行ってやる。」
小波「ホント!?やったぁ!」
六道さんと食事という夢のような現実を目の当たりにする小波くん。
お互いに育った街であり、構造を知り尽くしているが果たして六道さんのオススメの店とは?
電車に乗り、待つこと数分、着いたところは賑やかな商店街。
小波「うわ〜、懐かしいな〜。僕学生時代に何回もここにきたことあるよ。」
六道「私もよくここにきていたな。」
小波「あ!『モグラとモゲラ』だ!」
おじさん「おーい!小波じゃねーか!久しぶり!」
小波「コロッケのおじさん!」
六道「知り合いか?」
小波「うん。学生時代、部活から疲れて帰ってる僕によくコロッケをくれたんだよ。」
市民の集会所とも言えるこの商店街。小波くんの学生時代の思い出とも言える場所である。
営業の人も心豊かで、特に疲れた学生に差し入れを上げるなど、市民から愛されている商店街だ。
小波「それにしても、おじさんも変わんないね。」
おじさん「あったりめぇよ!それよりも、おめぇは頑張ってんのか?」
小波「え!?・・ん・・まぁ・・・・一応・・・・。」
おじさん「早くテレビで活躍する姿を見てぇから頑張ってくれよ!」
小波「うん!ありがとう!」
おじさん「それとちょっと渡すもんがあるから少し待ってくれ。」
小波「渡すもの?」
そう言うと、おじさんは店の奥から野球ボールを持ってきた。
とても汚れていて、かなり昔のものだ。
おじさん「これを返そうと思ってな・・・・。」
小波「これは僕の・・・・。」
おじさんが持ってきたボール。それは小波くんにとってとても大事なものだった。
小波「どうしてこれを?」
おじさん「おめぇがプロになって、最後に俺のとこに挨拶をしに来ただろ?その時に落としていっただろ?」
小波「あ!そうだったんだ。おじさんありがとう!」
その後、おじさんとは別れ、目的地である六道さんのオススメの店に到着した。何だかお菓子屋さんのイメージが強い外見だが・・・・。
小波「・・・・パワ堂?」
六道「うむ。私が学生時代に最も愛用した駄菓子屋さんだ。もちろん普通のメニューもあるから安心しろ。」
店内に入る2人。広さは普通のファミレスと同じくらいだろうか?
凄く甘い匂いが漂っている。
店員「メニューはお決まりでしょうか?」
六道「きんつば30個。」
小波「30個!?」
六道「何だ?不満か?」
小波「い、いや・・・・。」
店員「そちらの方の注文は?」
小波「え!?は、はい・・・・え〜と、パフェでお願いします。」
六道「貴様きんつばを食べないとはいい度胸をしているな。」
小波「えぇ!?(六道さんどうしたの!?)」
注文を終え、メニューが来るのを待つ2人。何だか変な空気が流れている。(特に小波くん。)
小波「(六道さんって・・・・もしかしてボケキャラなのかなぁ?)」
六道「おい。」
小波「は、はい!何ですか!?」
六道「さっきのボール・・・・。何か大切なボールなのか?」
小波「うん。これはおじいちゃんの形見なんだ。」
六道「な!?」
小波「実はおじいちゃんは死ぬ直前に自分の私物をすべて処分しちゃってね・・・・。残ったのはおじいちゃんからもらったこのボールだけなんだ。」
六道「・・・・。」
小波「大切にずっと持ち歩いていたんだけどまさか無くしてしまうなんて・・・・。おじいちゃんに怒られてしまうだろうな。」
六道「(そう言えばコイツは小波球藏選手の孫だったな・・・・。)」
小波「へへへ。ごめんね、おじいちゃん。」
店員「きんつばとカフェをお持ちしました〜。」
小波「お!きたきた♪六道さん食べよう。」
六道「そうだな。では・・・・。」
誰か「キャー!!!!!!!強盗よー!!!!!!!!」
小波・六道「!?」
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