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暗黒時代
Act.9 未来

「華恋、こっちだ」
不意に腕を捕まれ路地裏に連れ込まれる
後ろ姿が微かに見えるだけで誰かは分からないが安心出来る
でも、私は「はい」としか返事が出来なかった



―――

見知らぬ間に何処かの部屋にいた
どうやら途中で気を失ったらしい
身体を起こそうとすると、
先ほど助けてくれたであろう男の人が近くにいた
礼を言おうとすると、、

「何で高校時代の華恋が…」
と呟かれた声…

何処かで聞いたことのある声
背丈が伸びてキリッとした表情
そんな表情には似付かわしくない大きな目
相変わらず栗色の髪は重力に逆らって跳ねている

彼は―…


『さ、沢田くん!?』

「え?あれ…気付いてなかった?」

コクリと頷くとクスッと笑って「ゴメン」と一言

それよりも、
『ここは何処!?何で私は追われているの!?
どうして…、さっきの沢田くんと容姿が違うの?』


「…、この世界は…10年後の世界
だから俺の容姿が違う」

『じゅうねんご…?』

「そう、10年後…
ランボの10年バズーカにあたらなかった?
紫色の太い筒状の…」

紫色の…太い筒状…
『ある!!あれは、未来へ行くものなの?』

「ううん、未来の自分と5分だけ入れ替わるだけ

だからもう時間ないんだ、聞いて」

一気に深刻な雰囲気に包まれた…

「この時代は、華恋の能力を―…」


ボフンッ


『!?』

戻って、来ちゃった…?

「あ、5分経ったんだ」

『そうだ、未来の沢田くんの話、もう一度聞きに行かなきゃ!!』

「待って、未来の華恋が言ってた
危険だから10年バズーカを使わないでと」



危険?
それが、私の追われていた…理由なの?





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あきゅろす。
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