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キミは天才少女。
序章 依頼

私が、まだ『雪桜の届け屋』でオーナーとして過ごしていた頃。
数人の頼もしい部下や
私に仕えてくれていた秘書達と極普通に仕事をしていたある日…

『雪桜の届け屋』とは、
一般市民やマフィアから依頼を受け
その依頼をこなし報酬を貰っている云わば何でも屋みたいなところ…
オーナーの私は、生まれ持った能力を使って、
除霊や情報提供を主にやっている。
探し物は部下が…
殺しはマフィアの人に頼む事が多い。

そして、私が良く殺しを頼むマフィアが居て…
それが、ボンゴレファミリーというイタリアで結構な力を持っている組織。

そこの幹部の六道さんが『雪桜の届け屋』によく来て居て
何かしら頼むことが多い。


「ユン、また来てしまいましたよ」
と変装した格好の骸さん…あ、六道さんが中へ入って来ました。

『今日もやはり情報提供ですか?
六道さんには助かってますよ、情報を渡す代わりに殺しの仕事をして貰っているので…』
と資料をガサガサと探しながら言うと、

「今日はボスの使いで来たんです。
使用人を今朝全員辞めさせてしまっ…いえ、正確には使用人が辞めたいと言って辞めたんです。
それで…」

そこまで言われると依頼内容は分かる。
『使用人に出来そうな人材が欲しいって事ですよね…ちょっと待って下さい?
急な話だから、見付かるまで私達の中で…』
そう言いながら高速でPCのデータを見て良さそうな人材を探す…

「誰か良い人いらっしゃいますか?
ボスは、家事全般がまともに出来てちゃんと持つ人が良いと…」

『………それを合わせるとね、1人しか居ない…
今、別任務に行ってる子が殆どだから…』

「では、その1人を…」

『私なのよ、ソレ…
でも、ほら…こっちのオーナーの仕事に使用人の仕事ってキツイ…し……』

「なら、ボスに掛け持ちなのでちゃんとした仕事が出来るか分からないっていう条件で聞きましょうか?」

『えぇ、お願いしま…』

お願いしますと言う前に、部屋の扉が開いたので

『!ちょっと、今は入って来て良いなんて…』
怒鳴ろうと思い振り返った先には、私の秘書達(男女)が居て

「ユン様、仕事の事とオーナーの事はお任せ下さい。
ユン様でしか対処仕切れないような自体があれば連絡致しますので…」

『でも、やっぱりオーナーの私が抜けるのは色々と不憫よ?凛…』

凛と呼ばれた男の秘書は、
「これでも、ユン様の元で仕事内容等を見て来た身です。
私共にお任せして頂けませんか…?」

その言葉を聞いて唸っていると…
先程まで何も喋らなかったもう1人の女の秘書が、
「ユン様がここを大切に思っているのは分かってます。
ですが、今ボンゴレファミリー様に必要とされてる以上、ユン様が出向かなくては…
此方に信用も危うくなるかもしれませんし…」

『そうね…、それは困るわ。
なら、六道さん…色々と条件付けて良いのならその仕事をやらせて貰うわ。』

「では、ボスに電話するので…
あ、条件の掛け合いはご自分で…?」
と問われ少し考えてから

『えぇ、自分で言うわ。』
と応えた。

暫くして、六道さんが電話を渡して来たので受け取り、
『初めまして、『雪桜の届け屋』オーナーの蒼緋 ユンです。』

[初めまして、俺はボンゴレファミリー十代目の沢田 綱吉です、
で…条件とは?]

『まず、家事等は完璧にやらせて頂きますが…
せめて5時間だけオーナーとしての仕事が出来る時間を作って頂きたいのですが…』

[それくらいなら構わないよ、休憩時間減るかもしれないけれど…]

それを聞いて、
休憩時間が減るのは困ると思い
『なら3時間だけで』
と言った。

それを聞いてか沢田さんはクスクスと電話口で笑っていた…
何かムカツク…

[他、ないの?]
って言われたので

『住み込みで働こうと思うので、部屋ででも仕事が出来るだけのスペースと…
研究施設を別に確保して貰いたいの。』

[研究施設…?!]
流石にそれには驚いたみたいで、吃驚したような声が返って来た。

『仕事がら、媚薬作って欲しいとか言われるので…』
と苦笑しながら言うと

[…それで研究施設…]
と納得したような声が返って来た。

『後、私の専任秘書を1人とボディーガード2人ね。
秘書は私の元から居た人を…、ボディーガードは適当に雇って貰えますか?優秀な人。
仕事柄、狙われる事も多いから…』

[じゃあ、守護者にでも守らせるよ、そこの骸とか…
適当にコッチへ来た時に選んでよ、文句は言わせないようにするから…]

『ではお願いします、あ…秘書の部屋も別に取って置いてくださいね?』

[部屋なら幾らでもあるから大丈夫。
いざとなったら誰かの部屋ナシにするから…]
といわれ…
電話越しだが黒いオーラが漂って来たような気がした…

[条件ってそれだけ?]

『はい、今のところ。
あ、一応料理には自信ありますよ、料亭の母親に洋食店の父親から仕込まれてるので…
それで口に合わないって言われたら…殴っていいですか?』
なんて事を言ったから

電話の向こうの沢田さんは大笑いで、
[うん、良いけど…。守護者達が殴られるとも思わないけど…]なんて笑いながら言って来た

『………六道さん、私の所為で死に掛けた事ありますよ』
と言ったら

[え?]
って言われた、そりゃ「え?」だろうなぁ…と

[嘘…でしょ?確かに、1回情報収集に出掛けて帰って来たときには瀕死状態っていうのがあったけど…
まさか、それ?]

「そうですよ、綱吉君。
僕がユンにそうされて死に掛けたんですよ…クフ」

[…骸がやられるくらいだから、アイツらヤバイかも…
手加減してね、雲雀さんにはいらないかもしれないけれど…]
と言われ、

すぐに雲雀という名の人物を資料で探すと…
『あぁ…、雲のリング守護者さん?
ヒバードっていう黄色い鳥を連れてる人ですよね、その人には本気でも良い…と?』

[うん、雲雀さんは強者が好きだしね、気に入ると思うよ。]

『………、雲雀って…雲雀恭弥…ですよね?』

[うん、そうだけど…
どうかした?]

『いえ、何でもないです。』

[そう…じゃあ、明日にでも来て。
迎えに骸を行かせるから、じゃあ…]
そう言って沢田さんは電話を切った。

『…と言う訳です、
明日からお願いしますね?』
と今までの説明+明日のお迎えについて言うと

「では、また明日…」
と帰られた。

『…、ナタリー…』
静かにその名を呼ぶと、ナタリーと呼ばれた女の秘書はユンの元へ駆寄り…

「何でしょう?」
と言った。

『明日から、ボンゴレで働くの。秘書として着いて来てね?
暫く帰られないだろうし、着替えは沢山持って行くようにね?
それから…、ボンゴレの事詳しく調べておいて…』
そう言って、掛けておいたコートを羽織り、外へ出ようとすると…

「…何処かへ行くのですか?」
と言われたので、

『凛達にお別れの挨拶よ、外は寒いからね…
まぁ、落ち着いたらココへ戻るけれど…』
そう言い残して、扉を閉めた…






(さぁ…、これから忙しくなる…)
(どんな世界が…ボンゴレファミリーには拡がっているのだろう…)
(凄く、楽しみ…)



あきゅろす。
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