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トクベツの魔法


『燐、君にとっておきの魔法をかけてあげる。』


『ふぇ?・・・とっておきの、マホウ??』


『あぁ、そうだよ?燐は特別だから。』


『ぼくが・・・トクベツ・・・?』


『どうだい?燐。魔法、かけてほしくない?』


『うんっ!かけてぇ〜!・・・??でも、おじちゃんだぁれ・・・?なんでぼくのこと―――』


『燐・・・覚えておきなさい?・・・君はね、私の    ≠セよ・・・』


『ぇ・・・いまなんて・・・あ、まって!まってよ、おじちゃんっっ!!!!』















「まってっっ!!!!」


ガバリっと小さなその身を勢いよく起こした。


まだ薄暗い朝。


独りで迎える、朝。


「・・・あのひと、だぁれ・・・??」


自問する。


答えなど返ってくるはずもないのに。


小さなその身を小さな神社の中にひそめていた。


両親がマフィアだった為、波瀾万丈な生活を送ってきた燐だったが・・・その生活はすぐに終わった。


燐の両親はつい先日、亡くなった。


理由は分からない。


しかし燐の頭には鮮明に焼きついていた。


両親の体が赤く濡れていく姿が。


そんな場所に立ち会わせてしまった燐が今ここにいる理由。


それは・・・・・・





『燐は特別だから=x





ふと、燐の脳裏にこの言葉が過ぎる。


「ぼくが・・・トク、ベツ・・・」


復唱してみるものの、まだ酷く幼い燐の思考はまったく働かない。


思わず小首を傾げるがまた眠気が襲ってきた為、その首はすぐにまた元の位置に戻った。


それと同時に小さな口をちょっと大きく開いて欠伸をしてみた。


「ふにゃぁぁ〜・・・」


子猫のような可愛らしい声で欠伸をする燐はある音に感づいてピタリと動きを止める。



――――コツ、コツ、コツ・・・



シンと静まりかえった神社の中に足音が1つ。


こちらに近づいてきているようだ。


途端に小さな体を大きく小刻みに震えさせ始めた。


「((ぅぅ・・・ぼく、ちんじゃうのぉ・・・?))」


死ぬ覚悟など、とうの昔に出来ていたはず燐だったが、いざ死に直面すると恐怖を感じてしまう。


「((やだっ・・・ちにたくないよぉっ・・・!))」


そう、思っていた時だった。


「ねぇキミ。こんなトコでなにしてんの・・・?」






*つづく*
――――――――――――――――――――――――
2012.05.27
短かったデスかね;?

ごめんなさ〜いww

まぁ区切りがいいとこだなっ!て思ったんでねw

では感想をお待ちしております♪





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