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GANG×HERO!
おくちがあう *
ずちゅずちゅという水音がやけに耳についた。


「……ん、…ふ、…ちゅ……」


目ぇ閉じてていいよ、と言ってそれを咥えた暁良は、あまり焦らすこともなく舌と口腔、ときに喉も使って俺を攻め立てた。

せっかくの刺激なのに男の顔を見て萎えてももったいないので、言われた通り俺は目を閉じて快感だけを享受した。

「…………は、っ…」

舌で裏筋に強く吸いつかれ、思わず熱い息を吐くと向こうは興奮した様子で激しく頭を上下する。

…見ている。

目を閉じていても分かるくらいの熱視線を眉間の皺の辺りに感じるが、目を開けてやることはない。

そんなことさえ気にならないくらい、狭まった熱い口の中も、生き物みたいに蠢く舌も、性器の先が当たってギュッと締まる喉奥も最高に気持ちいい。

「……ん、…は、ぁ…。……出すぜ」

「ん、ん……ふっ、ん、……っ」

目は閉じたまま、手を伸ばせば奴の柔らかい髪の毛に触れる。それにくしゃ、と少し力を込めて、暁良の口の中に射精した。

「……はぁ…」

ドク、ドク、と久しぶりの射精は長く続いたように感じた。

喉奥に叩きつけるのは流石に気が引けて少し腰を引けば、離さないとでも言うかのように、む、と唇を窄めてくる。出し終わった、そう思って油断した瞬間に暁良が残滓を残さず吸い尽くすみたいにずずっと強く吸い付いてきた。

「……ッ!」

流石に果てたばかりで敏感になっているところにその刺激は強すぎて、内腿がびくりと跳ねた。

クソ、と舌打ちしたいが気にしていると思われるのも癪なのでそうもいかず、ようやく動きの止まった暁良にゆっくりと目を開ける。

暁良は確かな雄の欲を帯びた目でじっと俺を見ていた。喉をつく生理的な苦しさもあってだろう、垂れ目の焦げ茶色の目に薄く涙の膜が張って、頬はほんのり赤く上気している。

……こいつが女だったら、本番に持ち込むところなんだが。悲しいかな、どうみたって男だ。

そんなことを思ってじっと見つめ返していると、暁良はようやく口から俺の性器を取り出し、むぐむぐと咀嚼するように唇を閉じたまま動かした。

………………咀嚼。まじかよ。

そうして俺ととろんとした目を合わせたまま、ごくんと喉を上下させた。2回、3回と飲み込む。

口の中のを全部飲み込んで、唇に僅かについていた体液もぺろりと舐めとる。


「はぁ…………。」

「…………。」

「おいしー、紅也ちゃんのザーメン……濃くて、さいこ〜……はぁ…。」

「…………。」

繰り返すのもあれだが、こいつが女で、そうだな、胸と尻にそれなりの肉があるような、男慣れした痴女の台詞だったら、俺は今頃テキトーな前戯をしてとっとと突っ込んでいるだろう。

「…すっごい、のーこうで、えっちな味〜…溜まってたんだね〜……はぁ……おっき〜から、さすがに顎つかれちゃったけど……。」

伝われ。変態すぎてドン引きしてるのが伝わってくれ。

精液の味の感想とかいらねえ。

まあ……でも。


「気持ちよかった〜?紅也ちゃん。オレ、じょーずだった〜?」

「…………及第点、だな」

「そっかぁ〜!赤点じゃなきゃだいじょぶだね〜!」

「……お前、無駄にうまいな」


そう、悔しいことに…暁良はかなりフェラが上手かった。

悔しいことに?いやべつに悔しくはねーか?

おそらく、黙ってしゃぶってたおかげで、あんまり男を意識しなくてもよかった、ってのもあるだろう。

だがそれだけでもなく、今まで女にされてきたのを含めても……一番、上手い。気持ちいい。

調子に乗るから、そこまでは絶対に言ってやらないが。


「わ〜っほんと?よかった〜!お口に合って?お口が合って?」

「ぷはッ、お前黙ってろよ」

「えへへへ〜オレ嬉しいんだもん〜!……あ、そうそう、さっきから思ってたんだけどさ〜」

萎えた俺のそれの上、毛の生えているそこをクイクイと引っぱるように触れる。

「おい、調子のんなよ」

「この色が地毛?髪も?」

「……まあ、そうだな」

「へぇ〜っかっこいい〜!」


俺のそこは、赤色である。

赤というよりは深紅というべきか。鮮やかな紅色よりほんの少し暗みを帯びたそれは、確かに俺の生まれ持った色だ。


「だから、紅也ちゃんなの?」

「さあな」

「きれいだね」

「…………。」

「紅也ちゃんの色、すごくきれい」

「…………。」

いや。

股間見つめて言われても。

そう思っていれば暁良はパッと顔を上げてにへらっと締まらない表情で笑った。

「でもね〜、紅也ちゃんのオレンジ色のゆるふわヘアーもオレだいすき〜!燃え盛る炎みたいでかっこいい〜!」

「誰がゆるふわだ殺すぞ」

「ごふっ!!」

思わず至近距離にいた暁良めがけて脚を出す。死ぬほど手加減してやったそれは見事に鳩尾に入った。

「〜〜〜ッ!!」

蹲って身悶えしているやつを尻目に下着とベルトを戻そうとしていると、「…ま、…って」と死にそうな声が聞こえてきた。

「……んだよ」

「はぁ、…はぁ……もう、2、3発……抜いてかない…?」

「…………。」

……これはちょっと、悩みどころだ。

「オレのフェラ、きもちよかった、でしょ…はぁ…。手コキもじょーずだよ〜……」

「…………。」

「オレを、紅也ちゃん専用のオナホにしてよ〜」

あ、肝心のお尻は貸せないけど〜!


そう言ってヘラヘラと笑う暁良に、「バカじゃねえの」と言いつつベッドを振り返る俺。

さて、馬鹿はどっちか。

男子高校生なんて、下半身に脳みそついてるようなもんなんだ。


「……そういやお前、いくつだよ」

「オレ〜?25歳だよ〜」

「…………アラs」

「ストップ!紅也ちゃんストーーップ!!若さという暴力であきらちゃんのガラスのハートを砕かないでーーー!!!」

馬鹿はどっちか。

男なんて、馬鹿ばっかりだ。



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