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全ての始まり〜BURIAL〜
第11話 街の統治者



◆◆◆


《アイリリー‐ギルド‐》


クラトスに呼び出されていた俺とハルナは、モルモを加えた三人でギルドへやって来た。
そして早速、クラトスとリフィルからクエストを出される。


クラトス「さっそくで悪いが、1つ仕事をしてもらおう」

モルモ「ってことは、アドリビトムへ入れてもらえるってこと?」

クラトス「そう簡単に認めるつもりはない。これはテストの一環だ」

ハルナ「テストなんだ………」

モルモ「うぅー…まだまだ道のりは厳しいなぁ」

ハヤト「………それで、本題は?」


中々話が進まないから、先を促す。


クラトス「お前達にやってもらうのは、調査の仕事だ。『結界の社殿』へ向かい、探してもらいたいものがある」

ハヤト「結界の社殿?」

クラトス「世界樹のマナを、魔物の侵入を防ぐ結界へと変えるために建造されたものだ」

リフィル「元々はこの街の四方にあったけど、現存するのは一ヶ所だけなの。だから、今となっては効力もなく、魔物や盗賊の巣窟になっているのよ」

モルモ「ふぅん………」

ハルナ「ところで、何を探せばいいの?」

クラトス「何でもいい、人がいる痕跡となりそうなものを頼む」

ハヤト「人の痕跡か……分かった」

モルモ「うん、オイラ達に任せて!」


軽い返事をするモルモに、クラトスは睨みを利かせ、


クラトス「調子に乗るな。下手をすれば命を落とすぞ」

モルモ「は、はい………」


モルモは縮こまりながらコクコクと頷いた。


◆◆◆


モルモ「あ、ガンゼルだ」


ギルドを出て、結界の社殿とやらへ行こうとする途中の公園で、この街を牛耳ってるガンゼルを見掛けた。


ハヤト「何やってやがんだ?」


野次馬根性丸出し……とはいかず、少し離れた場所で様子を伺う。


ガンゼル「足りん足りん!! お前の納める麦のノルマは、この二倍だぞ!」

「し、しかし、よい土を作るためには街の外へ出て肥料を採取しないと………この街のものだけでは、思ったように収穫が望めないんです」

ガンゼル「ゲゲッ!! やっかましい!! 言い訳なんぞ聞きたくないわ!」


どうやら納税の類いらしい。
オジサンは必死にガンゼルにDOGEZAしているが、その効果はなさそうだ。


ガンゼル「収穫した麦は、これが全てではないのだろう? そいつも出せ!」

「あ、ありません………」

ガンゼル「ゲゲッ、ゲゲッ! ノルマを果たせないお前のような愚民は、この街にいらん!」


ガンゼルは「おい!」と、連れの兵士に顎でオジサンを指し、


ガンゼル「この穀潰しを街から追放しろ! 蝕むモノに食われてしまえ!」


兵士にオジサンを連れていかせた。


ハルナ「ひどい………」


この街の現状の大まかに聴いていたとはいえ、直に観るとやはりショックを受けたようだ。


モルモ「街の人達が苦しいのを知っていて、あんな締め付けを………」

ハヤト「あれが街の統治者ね……」


独裁政治か……
民衆の気持ちを完全に無視し、その生活を脅かすような真似をすれば、遠からず破綻するというのに。
いつの時代もそうだ。
あのガンゼルとかいう奴は、そこまで頭が回らないらしい。
…………あれ、いつの時代ってなんだ?


モルモ「早くアドリビトムに入って、ガンゼルからこの街を救わないとね!」

ハルナ「そうだね!」

ハヤト「ま、とにかくクエストを達成しようか」


俺達は結界の社殿へと向かう。


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あきゅろす。
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