MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第5話 天神通り
この店の名前は。
そば処『喜多風』という名前だ。
今の時間は昼過ぎの三時頃。さすがにこの時間にはあまり客はいない。
ちなみにこの天神通りという商店街には沢山の天神様とやらが住んでいると言われている。
ま、確かにさっきからやたらと普通の人の目には見えない何かが辺りを漂っているんだが……
「いらっしゃいませぇっ!」
俺とことりが入ってきたのに気がついたのか、厨房のほうから店員が現われた。
ことり「冬ちゃんこんにちは!」
冬子「あ、ことり。いらっしゃい!」
ことりが冬ちゃんと呼んだ店員は顔見知りのようだ。
冬子「で? どうしたのこんな時間に。その後ろの人は……?」
ことり「今日この島に引っ越してきたんですよ」
冬ちゃんとやらがコチラを見る。とゆーか視線がレンにいってる気がするな。やはり気になるか。飲食店だしな。
勇人「今日この島に引っ越してきた神爪勇人だ。よろしく」
とりあえず自己紹介する。レンも俺に習ってか、ペコリとお辞儀した。
互いに自己紹介した後席に案内してもらい、この店員…北原 冬子に動物を入れる許可をとり早速注文することにした。
冬子「ご注文は?」
「冬ちゃんの愛を」
俺とことりが座っている向かいっ側の席に座っている小柄な少年が、そう応えた。
冬子「アンタには聞いてない!!」
冬子は手に持っていた伝票をその少年に投げ付けた。
ドゴォッ!!
と伝票の角が少年の額に直撃した。血がドクドクと滴れ流れてる。
大丈夫かアイツ……
ことり「いつものことなんで気にしなくていいっすよ…」
どうやら冬子と少年のこのやりとりは日常茶飯事だそうだ。
景太郎となるみたいなもんか……。
冬子「で、何にします?」
まるで何事もなかったかのような営業スマイル全開で再度聞いてくる冬子。
この店の味はよくわからんからなぁ。何を頼んだらよいのやら。
勇人「何かこの店のオススメとかあるか?」
冬子「スペシャル鴨南蛮がオススメかなぁ」
ことり(それってこの店で一番高い料理じゃ……)
勇人「じゃあそれで」
冬子「了解っ。スペシャル鴨南蛮一丁ー♪」
厨房のほうから、「あいよスペカモいっちょー!」と元気な声が聞こえてきた。
冬子は「まいどー」と物凄く上機嫌に良い笑顔で厨房の方へ行った。
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