MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第43話 ルポライター
◆◆◆
《中庭》
祭りに参加すると、時間の経過がいつもよりも早い気がするのは幾ら歳を重ねても変わらないもので、もう辺りはすっかり暗くなっていた。
といっても時間的にはまだ7時過ぎで、校舎ではまだ卒業パーティーは続いている。
本当ならもう完全下校を過ぎている時間だが、こういう行事がある時は比較的遅い時間までパーティーをやっている。
卒業パーティーが完全に終わるのは9時頃だ。
勇人「………どーすっかなぁ」
別に自由に帰っても問題ないのだが、祭り好きなこの学園の生徒の大多数は最後までパーティーを楽しんでいる。
杉並「どうした。暇そうだな、神爪勇人」
何処からともなく唐突に、ベンチに座って煙草を吸っていた勇人の背後に現れた杉並。
勇人「もうつっこまねぇぞ…………」
杉並「そうか、それは残念だ」
勇人「…………で、何かようか?」
杉並「うむ。暇なら、お前には是非コレを手伝ってもらいたくってな」
杉並はやおら懐から一枚の紙を取り出した。
それは、HPの内容をカラープリンタで刷り出したものだった。
勇人「風見学園………オカルト研究会?」
カウンターを見ると、アクセス件数は10万HITを越えている。
勇人「で、これかどうかしたのか?」
杉並「うむ。実は『卒業式の幽霊、その正体を探る!!』という企画をやっていてな」
勇人「コレのルポをやってほしいと………?」
杉並「ああ。俺はもう一個別の取材をせにゃならんからな」
勇人「へぇ、何すんだ?」
杉並「『公園に現れる謎の発光物体を追え! 目撃者の証言・そのとき巨大な桃色のクマが…………』どーだ、面白そうだろう?」
勇人「………それは何だ、つっこめばいいのか?」
まぁ、何を言っても無駄だろうが………………。
勇人「ま、いい。引き受けてやるよ」
杉並「そうか! よろしく頼むぞ。1日600件のアクセスがあるHPの、目玉記事なんだからな」
勇人(結構人気あるんだな……)
気がつけば、杉並は勇人の視界から姿を消していた。
勇人「俺ですら捕捉出来ん程に神出鬼没なヤツだな…………」
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