MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第31話 志貴……覚醒!!
◆◆◆
-勇人 side-
勇人(―――この感じ………)
明らかに志貴の雰囲気がガラリと変わった。
その手に持つナイフで襲いかかってくる使い魔達を、死の線をなぞってごとごとく切断していく。
そのナイフ捌きや体捌きは、戦いを知らぬ普通の学生とは思えぬ動き。
勇人「七夜の血か………」
セバスチャン「七夜………?」
此方にも襲いかかってくる使い魔達を、適当に惨殺してあしらいながらセバスチャンが聞いてきた。
勇人「七夜ってーのは、昔混血の暗殺を生業とした一家でな。アイツはその血を引いてんだよ」
昔……軋間家と七夜の里との戦いの後。生き残った志貴を遠野家に引き取った槇久。その頃に一度会った事がある。
勇人(ま……俺に会って何の反応も示さなかったから覚えてねーんだろうが……)
◆◆◆
-ネロ side-
姫君ですら滅する事が出来なかった私達が、人間の手によって尽く消滅していく。
何故だ――――――――
何故だ
何故だ
何故だ!?
真祖の姫君を取り込もうとしていた使い魔達を身体に戻し、我が身の密度を高める。
何故私が密度を高めなければならぬ!?
何故人間に対して渾身で行かねばならぬ!?
ネロ「待っていろ。奴をくびり殺した後、今度こそ貴様を取り込む」
アルクェイド「……そう。期待しないで待っているわ」
殺す!!
我が内なる系統樹には貴様らの域を凌駕した生命があると知れ――――――――
◆◆◆
-勇人 side-
勇人「―――そろそろケリか」
そこに存在してさえいれば、神様すら殺す事が出来ると言われている直死の魔眼。
その能力と七夜の暗殺術を駆使して戦う今の志貴は、死徒二十七祖の一角を圧倒している。
勇人「人間を甘く見たな………ネロ・カオス」
お前が殺そうとしている人間は、不死身とされる真祖の吸血姫を、一度殺してるというのに…………。
◆◆◆
-志貴 side-
突進してきたネロに対してカウンターを取る形で、ケモノと化したネロの“死の点”をナイフで突き刺す。
オマエに何百という命があろうが関係はない。
俺が殺すのは
ネロ・カオスという『存在』そのもの―――――――
その世界を抹殺する!!
ネロの身体が、見る見る内に黒い霧となっていく。
ネロ「………まさか、な」
志貴「………………」
ネロ「お前が――――――――
―――お前が私の……『死』か」
存在を殺されたネロは、そのまま音もなく、世界から消滅した。
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